2014年3月7日金曜日

川内原発、新規制基準での再稼働第1号か

 原子力規制委員会は5日、九州電力川内原発の規制基準の適合審査で、「基準地震動」について見直した九電の方針を大筋で認めました。
 審査中の10原発で基準地震動が定まった原発はまだないので、川内原発が最も早く適合審査に合格し、再稼動する可能性があるということです。
 
 九電は最大級の揺れを申請時540ガルから620ガルに引き上げたので、規制委が揺れの大きさを検証したうえで、近く確定するということです。
 そしてこの範囲であれば建物や機器の耐震性に影響はなく、大規模な補強工事は必要ないということです。
 
 これは要するにその範囲であれば現在の発電設備を何も補強しないで済むということでしかありません。
 中越沖地震では、柏崎刈羽原発に最大2000ガルを超える水平加速度が掛かりました(実測)が、620ガルというようなチマチマした基準値のアップで、耐震性は本当に大丈夫なのでしょうか。
 
  単に現状を追認するだけであれば審査の意味はありません。
 そして規制基準の満足で直ちに再稼動ということであれば、住民の事故時の避難計画の有無やその実効性の検討などの、住民の被曝防止対策は一体どうなるのでしょうか。勿論それが再稼動の十分条件などではないにしても。
 原子力規制委はそのために、原発事故後に新しく発足したのではなかったのでしょうか。
 
 “喉もと過ぎれば熱さを忘れる” 恐ろしい事態に向けて進みつつあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
川内原発、新規制基準での再稼働第1号か 適合審査、優先の可能性 
ハフィントンポスト 2014年3月6日
川内原発、審査優先の可能性 規制委、3月中旬にも選定
原子力規制委員会は5日、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の規制基準の適合審査で、想定する最大級の地震の揺れ「基準地震動」について、大きくなるように見直した九電の方針を大筋で認めた。火山の影響など課題は残るものの、審査に見通しがついた。規制委が審査を優先する原発の有力候補になる可能性が高まった。
 
規制委は今月中旬にも適合審査の申請をしている原発から審査を優先する原発を選ぶ方針。選ばれれば最も早く再稼働する可能性が高い。基準地震動の確定は前提条件の一つだが、審査中の10原発で基準地震動が定まった原発はまだない。
 
九電は最大級の揺れを620ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)に引き上げる方針を示した。申請時は540ガルとしていた。規制委が揺れの大きさを検証したうえで、近く確定する。九電は想定を見直しても耐震安全上重要な建物や機器の耐震性に影響はなく、大規模な補強工事は必要ないとみている。
 
一方、審査が進んでいた関西電力大飯原発3、4号機(福井県)は議論が長引く可能性が出てきた。関電は基準地震動を引き上げる意向だが、5日の審査会合で地震が起きる場所の深さについて、規制委と意見が食い違い結論が出なかった。