2014年3月22日土曜日

再稼働反対の意見書等が隣県で相次ぐ

 再稼動の申請を行っている四国電力伊方原発と、豊後水道を挟んで対岸の大分県(最短距離が約45キロ)では、再稼働に反対する意見書案が市町議会で相次いで可決されています
 19日には豊後大野市、20日には豊後高田市と九重町で国に再稼働の見直しを求める意見書を提出することが決まりました。
 再稼働に反対する意見書案は昨年までに大分県の7市町で可決しています
 
 伊方原発の再稼動に対しては、瀬戸内海を挟んだ対岸の広島市の議会でも、再稼動反対決議の動きがありました。
 また青森県の大間原発に対しては、津軽海峡を挟んで対岸にある北海道函館市が建設差し止め訴訟を起しています。
 
 日本では原発の30キロ圏内を緊急避難区域としていますが、それは別に放射能汚染の限界を示すものではありません。実際にチェルノブイリでは、そこをはるかに超えた地点で、飛び地を求めたような形で濃厚に汚染されました。そのときの風向きと降雨の有無で決まるようです。
 
 原発立地の自治体にはある程度豊富な手当金が交付されます(そのため反対の舌鋒が鈍くなり勝ちです)が、隣接の自治体に対してはそうしたものは何もなく、事故時の被害の恐怖だけが約束されることになります。従って隣接の自治体で反対意見書等が決議されるのは極めて当然のことです。
 大分合同新聞の記事を紹介します。
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再稼働反対の意見書が相次ぎ可決 伊方原発
大分合同新聞 2014年03月21日
 (大分県)佐賀関半島から約45キロにある四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働に反対する意見書案が(大分)県内の市町議会で相次いで可決されている。19日には豊後大野市、20日には豊後高田市と九重町で国に再稼働の見直しを求める意見書を提出することが決まった。電力8社、10原発17基の安全審査が進み、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)が夏までに再開する可能性が出てきた中、県内で原発への関心が高まっている。
 
 伊方原発の再稼働に反対する意見書案は2012年の9月定例会で宇佐市、玖珠町、臼杵市、杵築市の各議会が可決したのを皮切りに、昨年までに7市町で可決している。日田市は九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働にも反対した。
 由布市は伊方原発の再稼働に明確な反対を示していないが、「十分な調査分析と対策を講じ、国民や地域に丁寧な説明が必要。慎重に判断し対応するよう強く求める」と訴えた。
 
 20日に全会一致で可決した豊後高田市の意見書は「伊方原発再稼働を考え直すことを求める意見書」となっているものの、事実上、再稼働に反対する内容。「伊方原発の近くには(断層帯の)中央構造線があり、過去、マグニチュード7クラスの地震が発生している」と指摘、「事故が起きれば県民が受ける被害は甚大。原発をなくすことは県民のみならず、国民の喫緊の課題」と強調している。
 提案した大石忠昭市議(共産)は「脱原発は全国的な流れ。原発から近い豊後高田市も危機感を持たねばならない」と述べた。
 
 四国電力は「当社としてはコメントを控えたい。伊方発電所は福島の事故直後より安全性、信頼性の向上を目指した取り組みを継続的に進め、原子力規制委による審査に真摯(しんし)に対応し、可能な限り早期に新基準に適合しているとの評価が得られるよう最善を尽くす」としている。


(下)再稼働に向けた安全審査が進む四国電力伊方原発。
   海の向こうは大分県=12日、愛媛県伊方町