中部電力浜岡原発は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上に建っていて世界一危険な原発と言われています。そのために福島第一原発の事故後、当時の菅直人政権によって強制的に停止させられた経緯があります。
その浜岡原発の半径31キロ圏内に位置し避難計画を策定する必要がある医療機関約50カ所、社会福祉施設約600カ所のうち、避難計画の策定済みはたった1カ所にとどまっていることが分かりました。理由は、避難計画の基準となる静岡県のガイドラインが未整備で、策定の必要性の周知もできていないためということです。
上記の悪条件下で何故再稼働が認められたのか不思議ですが、まだ全くと言っていい程避難計画が作成が進んでいないことにも驚かされます。避難計画は実効性を伴うものでなくてはならず、机上の計画で済むものでないのは言うまでもありません。
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原発避難計画 策定済みは御前崎病院のみ 医療・福祉650カ所、静岡県指針も未整備 浜岡の半径31キロ圏内
静岡新聞 2021.05.10
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の半径31キロ圏内に位置し、避難計画を策定する必要がある医療機関や社会福祉施設約650カ所のうち、策定済みなのは御前崎市の市立御前崎病院1施設にとどまっていることが、9日までに静岡県などへの取材で分かった。避難計画の基準となる県のガイドラインが未整備で、策定の必要性の周知もできていないため、大半の施設で作業が行われていない。
東日本大震災の発生と東京電力福島第1原発事故後の政府要請による浜岡原発全炉停止から14日で10年を迎える中、要配慮者の避難体制に依然大きな課題がある現状が浮かぶ。県は、地域防災計画で医療機関などに避難計画を定めるよう求めている。避難先や避難ルート、患者や入所者の移送に必要な資機材の確保などを盛り込む必要がある。
県によると、対象施設の内訳は医療機関約50カ所、社会福祉施設約600カ所。計画策定の必要性を把握していない施設も多いとみられるという。
一方、新潟県や愛媛県、福井県など他の原発立地地域では、県がガイドラインや手引を策定し、すでに避難計画を作った施設もある。
静岡県は、社会福祉施設のガイドライン策定に2020年に着手した段階。21年度中に完成させる予定。担当者は「これまで自治体の広域避難計画づくりに注力してきた。社会福祉施設や医療機関の計画策定も早急に進めていく」と話す。