福島民報が「ふくしま子どもの心のケアセンター」の開所式の様子を報じました。
30日付「子どもの心ケアの新拠点が福島市に」の詳報として紹介します。
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多様な悩みに対応 福島で開所 子どもの心のケアセンター(詳報)
福島民報 2021/04/30
心に不安を抱える児童生徒や、その保護者らを支える県の中核機関「ふくしま子どもの心のケアセンター」は福島市の福島学院大福島駅前キャンパスに開所した。二十九日、現地で開所式が行われた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年が経過する中、多様化する心の悩みに中長期的に対応するため、関係者が決意を新たにした。
開所式には約三十人が出席した。井出孝利副知事の式辞に続き、センター所長の矢部博興県精神保健福祉協会長(福島医大医学部神経精神医学講座主任教授)があいさつした。矢部氏は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故被災者の心理的研究を例に挙げ、「福島第一原発事故被災者の心のケアは最低あと二十年は必要だ。センターが重要な役割を担う」と強調した。
馳浩元文部科学相が式辞を述べ、「センターの取り組みは『こども庁』のモデルになり得る」との認識を示した。桜田葉子福島学院理事長、挟間章博福島医大副理事長らも祝辞を寄せた。矢部氏らがテープカットした。
開所式終了後、福島駅前キャンパス四階に設けられた執務室や相談室を公開した。
センターの運営は県が県精神保健福祉協会に委託している。公認心理師や精神保健福祉士ら七人が常勤、県内外で活動する複数人の医師らが非常勤で支援に当たる。相談会や交流会の開催、支援者を養成する研修の実施などを計画している。支援を通じて得たデータを分析し、より効果的な支援方法を探る。