福島県のJAふくしま未来、JA福島さくら、JA会津よつばは28日、各JAの総代会で、政府と東電が15年8月に県漁連と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束をほごにした対応を「極めて不誠実」と非難し、政府の海洋放出方針に反対する特別決議を採択しました。
決議は、漁業者や国民に十分な説明がないまま海洋放出を決定したと政府の対応を批判し、「県内全ての産業で復興が阻害されず、進展できると確信が持てるまでは海洋放出に反対する」と訴えています。
JA夢みなみ、JA東西しらかわも二十九日の総代会で同様の特別決議を組合員に諮る予定です。
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処理水海洋放出方針 反対の決議採択 福島県内3JA 説明不十分と批判
福島民報 2021/05/29
東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、福島県のJAふくしま未来、JA福島さくら、JA会津よつばは二十八日、各JAの総代会で、政府の海洋放出方針に反対する特別決議を採択した。反対を表明してきた漁業者や国民に十分な説明がないままの決定だと政府の対応を批判。「県内全ての産業で復興が阻害されず、進展できると確信が持てるまでは海洋放出に反対する」と訴えている。
政府が風評対策として示した国民・国際社会の理解醸成の取り組みが期待できず、生産・加工・流通・消費対策の具体的内容が希薄な点を理由に挙げた。本県の農林水産業者や消費者らが十年間続けてきた風評払拭(ふっしょく)への懸命な努力が一瞬で水泡に帰すとの懸念も示した。
特にJA福島さくらは管内に双葉地方など原発事故の被災地を抱えており、「営農再開への懸念や風評被害の拡大が懸念され、今回の政府決定を絶対に看過できない」と強調した。
特別決議では、政府と東電が二〇一五(平成二十七)年八月に県漁連と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束をほごにした対応について「極めて不誠実」と非難した。
JA夢みなみ、JA東西しらかわも二十九日の総代会で同様の特別決議を組合員に諮る予定。