柏崎刈羽原発の再稼働に必要とされる「事前了解」の対象自治体の拡大を目指す自治体議員研究会は10日、同原発から半径5~30キロ圏の避難準備区域(UPZ)の住民を対象にアンケートした結果、81.4%が立地自治体以外にも拡大を求めたことを明らかにしました。
また地震、豪雪などと原発事故の複合災害の際、安全に避難できるかという質問では、「そう思わない」が65.4%でした。
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30キロ圏了解「必要」8割 柏崎刈羽原発再稼働 議員研住民アンケート
新潟日報 2021/05/10
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に必要とされる「事前了解」について対象自治体の拡大を目指す自治体議員研究会は10日、住民アンケート結果を発表し、約8割が拡大を求めたことを明らかにした。東電は再稼働の際、新潟県、柏崎市、刈羽村だけに事前了解を求める方針。しかし、アンケートからは、同原発から半径5~30キロ圏の避難準備区域(UPZ)の住民の大半が、30キロ圏内のほかの自治体の了解も「必要」と考えていることが浮き彫りになった。
調査対象は、長岡市、上越市、柏崎市などUPZ圏内8市町の住民。原発再稼働を巡る「事前了解」の範囲について、同地域の住民の意向が統計的手法で明らかになった。花角英世知事や関係市町の首長の多くは対象の拡大に消極的で、今後の対応が注目される。
調査では、柏崎刈羽原発の再稼働に30キロ圏内の自治体の了解が必要かを尋ねた設問に対し、「そう思う」が81・4%に上り、「そう思わない」は8・0%、「どちらともいえない」が10・6%だった。
地震、豪雪などと原発事故の複合災害の際、安全に避難できるかという質問では、「そう思う」の7・0%に対し、「そう思わない」が65・4%と大きく上回った。30キロ圏内に住むことの不安については、「感じる」が67・2%と最も多く、「感じない」は11・6%、「どちらともいえない・わからない」は21・1%だった。
原発事故時にUPZ住民に屋内退避が求められることについては、61・5%が「知っていた」とした一方、「知らなかった」とする住民も31・9%いた。
研究会は10日に長岡市で記者会見を開き、結果を公表。会長の関三郎見附市議は「8割以上の人が事前了解権(の拡大)を必要だと思っていることは非常に重い」と指摘した。
研究会は4月17、18両日、調査会社に依頼し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で調べた。UPZが含まれる7市1町の1013人から有効回答を得た。