福島第一原発の処理水 東電 海洋放出へ具体的準備を初めて説明
NHK NEWS WEB 2021年5月28日
福島第一原子力発電所で保管されているトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、基準を下回る濃度に薄めたうえで海に放出する方針が先月決まりましたが、東京電力は、保管用のタンクの一部を放出前に濃度を確認するタンクに転用すると発表しました。海洋放出に向けた具体的な準備が説明されるのは初めてです。
福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどを含む処理水について、政府は先月、基準を下回る濃度に薄めたうえで、2年後をめどに海に放出する方針を決めました。
これについて、東京電力は1000基余りある処理水の保管用タンクのうちおよそ30基、3万トン分のタンクを、トリチウムやそれ以外の放射性物質の濃度を放出前に確認する準備用のタンクに転用すると発表しました。
測定結果を待つ間など、一時的に水がためられ、水をかくはんするポンプの設置などを行う予定です。
一方、転用した3万トン分を補うため、保管用のタンクを新たに20基余り増設するとしています。
また、今月実施したカメラによる2号機の原子炉建屋の上部の調査について、シールドプラグと呼ばれる巨大なコンクリートのふたや格納容器の上の部分の写真が公表されました。
東京電力は調査で改めて汚染が確認されたとする一方、大きな損傷は認められなかったとしています。