2021年5月22日土曜日

腐食コンテナから放射性物質が港湾内に漏えい 福島第1

 福島第1原発敷地内で強い放射線を発するゲル状の土の塊が3月に見つかった問題で、東電は20日、発見場所の近くにあった腐食した放射性廃棄物入りコンテナの内容物とゲル状の塊の分析結果が一致し、流出元と特定したと発表しました。

 こんな風に忘れた頃に分析結果を発表するのは意識的なのでしょうか。
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放射性物質 港湾内に漏えい 福島第1・腐食コンテナから流出
                        河北新報 2021年05月21日
 東京電力福島第1原発敷地内で強い放射線を発するゲル状の土の塊が3月に見つかった問題で、東電は20日、発見場所の近くにあった腐食した放射性廃棄物入りコンテナの内容物とゲル状の塊の分析結果が一致し、流出元と特定したと発表した。降雨に伴う港湾内への漏えいも分かり、原子力規制委員会や周辺自治体などに通知した。
 東電によると、港湾内に流出したのは主に放射性物質ストロンチウム90で、排水路から港湾に流れ出た。漏えいした分の最大値を16億ベクレルと見積もった場合、排水濃度限度の1リットル当たり30ベクレルを下回るといい、東電は「環境への影響はないものと評価した」としている。
 腐食したコンテナ内には、原発事故後に使ったビニール袋入りの吸水シートや湿った布などが積まれていた。重みで袋の縛り口から汚染された水が漏れたとみられ、腐食は外側と内側の両方から進んでいた。現時点で他に腐食コンテナは確認されていない。
 東電は屋外のコンテナの外観点検を進めるほか、内容物が把握できていない計4011基について中身の確認を10月までに実施する予定。中に水がたまっていた場合は水だけ移し替えて別に保管する。


福島第一原発 ゲル状の塊は水や放射性廃棄物の混合物 東電
                     NHK NEWS WEB 2021年5月21日
今年3月、福島第一原子力発電所の構内で、比較的放射線量が高いゲル状の塊が見つかった問題で、東京電力は、塊は放射性廃棄物を保管するコンテナの中にたまっていた水や廃棄物が混ざったものが、コンテナの腐食によって漏れ出して固まったものだったと発表しました。
福島第一原発では、今年3月、事故後の作業で出た放射性廃棄物を保管していたコンテナがあったエリアの地面で、1時間当たり13ミリシーベルトと比較的放射線量が高いゲル状の塊が見つかりました。
東京電力は、調査の結果、この塊はコンテナの中にたまっていた水や、紙や布、それに樹脂製の配管などの放射性廃棄物が混ざったものが漏れ出して固まったものだったと発表しました。
コンテナの腐食が原因で漏れたとみられ、ゲル状の塊が見つかった場所の近くの海側の排水路で放射性物質の濃度が高まったことを示す警報が鳴ったことから、東京電力は、一部が雨水とともに港湾内に流れ出たとみられるとしています。
見つかったゲル状の塊はすべて回収して再びコンテナに入れたうえでこれまでより厳重に保管し、塊が見つかった場所の周辺の舗装を剥ぎ取るなどの対策をとったということです。
東京電力は、海水の中の放射性物質の濃度に大きな変動がないことから漏れたことによる環境への影響はないとみられるとしていて、再発防止のため発電所内にある他のコンテナに腐食がないか点検を進めています。