北海道電力泊原発は安全性に問題があるとして、道内の住民ら約1200人が北電に廃炉や運転差し止めを求めた訴訟の判決が31日、札幌地裁であります。
提訴から10年半になります。主な争点は、原発が位置する積丹半島付近の海底活断層の有無と防潮堤の安全性などです。
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泊原発廃炉訴訟、31日判決 海底活断層の有無争点 提訴から10年半・札幌地裁
時事通信 2022/5/29
北海道電力泊原発(北海道泊村、運転停止中)は安全性に問題があるとして、道内の住民ら約1200人が北電に廃炉や運転差し止めを求めた訴訟の判決が31日、札幌地裁(谷口哲也裁判長)である。
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原発近くの海底活断層の有無などが争点。
提訴から10年半が経過。原発の運転差し止め訴訟は各地で起こされているが、廃炉が認められれば初めてとなる。
主な争点は、原発が位置する積丹半島付近の海底活断層の有無。原告側は活断層は存在し、北電が策定した耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」は活断層を想定していないため信用性に乏しいと主張。これに対し、北電は「活断層はなく、あったとしても基準地震動に影響はない」と反論している。
津波対策としての防潮堤の安全性も争点で、原告側は「現在の防潮堤は液状化の恐れがあり、役に立たない」と主張。北電は液状化の恐れはなく、新たな防潮堤も今後建設する予定で安全性に問題はないとしている。
住民らは東京電力福島第1原発事故後の2011年11月に提訴。12年2月に開かれた第1回口頭弁論では、北電が「原発に絶対的な安全性を求めるのは不可能」などとする答弁書を提出していた。
泊原発は12年までに、定期検査により1~3号機の全てで運転を停止。北電は13年に再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請したが現在も審査が続き、再稼働の見通しは立っていない。
原発の運転差し止めなどを求めた訴訟では、福井地裁が14年、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の差し止めを命じる判決を出したが、名古屋高裁金沢支部が18年に取り消した。日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)に対しては水戸地裁が昨年3月、「防災体制は極めて不十分で安全性に欠ける」として差し止めを命じ、日本原電と原告の双方が控訴している。