1986年4月、チェルノブイリ原発で起きた爆発事故で、現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点からリアルに映し出した映画『チェルノブイリ1986』が6日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開されました。
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映画『チェルノブイリ1986』被ばくし真っ黒に焼け焦げた消防士たちをリアルに再現
南日本新聞 2022-05-06
1986年4月26日、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国プリピャチのチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故で、爆発直後に現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点からリアルに映し出した、映画『チェルノブイリ1986』が本日(6日)より、東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。その本編より、被ばくし真っ黒に焼け焦げた仲間たちがリアルに再現されている衝撃的なシーンが解禁となった。
チェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が発生したことを知った主人公のアレクセイは、明け方、急いで現場に到着すると、通常の防火服を着たまま消火作業にあたる大勢の消防士たちが、放射性の火傷を負い、あちこちで嘔吐しているという惨状を目の当たりにする。
同僚のユーリィが倒れているのを見つけたアレクセイは駆け寄り「大丈夫か?」と声をかけるが、ユーリィの顔は真っ黒に焼け焦げていた。あまりの驚きに一瞬声を失ったが「立ち上がるんだ。頑張れ」と再度声をかけ、抱えて歩き出す。
凄まじい黒煙と青白い炎が立ちのぼる中、アレクセイはユーリィを建物に移動させると、そこには同じく被ばくした同僚のセルゲイがいた。「俺なら平気だ。お前たちは先に行け」と咳き込みながら言うセルゲイを横目に、アレクセイは階段を下りると救急隊を呼び、ユーリィを任せる。そして再びアレクセイは建物に戻り倒れているセルゲイを抱え外に出るが…。
■放射能による火傷の症状を研究! リアリティーを追求した小道具、衣装、特殊メイクは圧巻
本作の衣装を担当したのは、『ウォンテッド』『リンカーン 秘密の書』などのハリウッド映画にも携わってきたヴァルヴァーラ・アヴジューシコ。画面に映るすべての衣装は本物でなくてはならないと主張したアヴジューシコは、防護服やマスク、ベッドリネンまで、あらゆるものをフリーマーケットやビンテージショップで調達した。エキストラも1980年代のオリジナルの衣装を着用し、500人ものエキストラが参加した。
そして本作では、放射線障害の段階を正確に表現することが重要だったため、特殊メイクにもこだわった。監督のコズロフスキーは「特殊メイクのスペシャリストであるアレクセイ・イヴチェンコとキーメイクアップアーティストのエカテリーナ・シャフヴォロストヴァは、放射線による火傷のさまざまな症状を研究するために、膨大な量のドローイングとスケッチを作成しました。その数は約100枚。撮影現場には、放射線を浴びた初日から死に至るまでの組織の損傷が、段階的に示された写真のフォルダーが置かれていました。それぞれの段階と登場人物に番号が振られ、それを脚本に盛り込んだのです」と語っている。