東電が福島原発のトリチウム汚染水を海洋放出する計画を巡り、「これ以上海を汚すな!市民会議」は13日、「海底工事などの準備を進め、廃炉を優先して復興を犠牲にする姿に多くの福島県民が不信感を抱いている」、海洋放出は「被災者にさらなる負担と苦悩を強いるもので到底認められない」と、海洋放出に向けた設備工事をしないよう東電に要請しました。
それとは別に、グリーンピースの原子力専門家ショーン・バーニー氏は韓国紙「東亜日報」への寄稿で、日本は原発汚染水の海洋放出で安全性を宣伝しているが、原発汚染水の総量など基本情報は公開していないと指摘し、生態系に遺伝子変異を引き起こし得る放射性物質のトリチウムや炭素14を全て海洋に放出すれば環境に取り返しのつかない損害を与えると強調しました。
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汚染水海洋放出に向けた工事の中止を要請 福島の市民団体が東京電力に
「さらなる負担と苦悩を強いる」
東京新聞 2022年5月13日
東京電力が福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水を海洋放出する計画を巡り、福島県民らでつくる「これ以上海を汚すな!市民会議」は13日、海洋放出に向けた設備工事をしないよう東電に要請した。
市民会議共同代表の織田千代さん(67)=福島県いわき市=らが東京・内幸町の東電本社近くのビルで、東電原子力・立地本部の井口誠一原子力センター所長に要請書を手渡した。
織田さんは「海底工事などの準備を進め、廃炉を優先して復興を犠牲にする姿に多くの福島県民が不信感を抱いている」とし、海洋放出は「被災者にさらなる負担と苦悩を強いるもので到底認められない」と指摘。東電が2015年、福島県漁連に「関係者の理解なしに(処理水を)海洋放出はしない」と約束したことに触れ、「約束を守らずに強行すれば、将来に大きな禍根を残す」と批判した。
市民会議は東電本社前で抗議したほか、原子力規制委員会にも放出設備を認可しないよう要請した。
海底トンネルなど放出設備の着工には、規制委の認可後に立地自治体の福島県と大熊、双葉両町の事前了解が必要。しかし、東電は地盤の掘削などは事前了解の対象外として一部工事を進め、トンネルを掘る機械「シールドマシン」を発進場所に設置し、いつでも着工できる態勢にした。(小野沢健太)
日本の原発汚染水海洋放出計画の阻止を各方面が訴える―中国メディア
Record China 2022年5月10日
日本の東京電力が5日、福島第一原子力発電所の原発汚染水を太平洋に放出する放水口を設置するための海底掘削作業を始めたと、日本メディアが報じた。日本政府と東京電力は自らの利益のために、国内外の激しい反対を顧みず、原発汚染水の海洋放出を推し進め続けて、各方面から批判を浴び続けている。各国の環境保護関係者、学者、民衆は、日本政府によるこの無責任な行為を阻止するよう、次々と国際社会に訴えている。
グリーンピースで東アジア地域を担当する原子力専門家のショーン・バーニー氏は先日、韓国紙「東亜日報」への寄稿で、東京電力は様々な動画で原発汚染水の海洋放出の安全性を宣伝しているが、放出しようとする原発汚染水の総量など基本情報は公開していないと指摘。日本の原発汚染水希釈技術にも問題があるとして、「東京電力の多核種除去設備『ALPS』はセシウムやストロンチウムなどの放射性物質の処理に成功できぬままでいる。たとえ希釈処理を行っても、生態系に遺伝子変異を引き起こし得る放射性物質のトリチウムや炭素14も全て海洋に放出される。これは環境に取り返しのつかない損害を与えるだろう」と強調した。