新潟県による福島原発事故の「3つの検証」について、総括報告書の県民への説明会が29日夜 初めて開かれ、県内12の会場などからのオンライン参加も含めて109人が参加しました。
県が総括報告書の内容と柏崎刈羽原発の安全対策の現状を説明したのに対して、参加者からは、事故発生時の避難方法について「原発から5~30kmの人は自宅で待ってろという話。これは本当に事故に遭ったときの住民の感情にあっているのか アンケートでは30%がこれを守らないと言っている」等の質問が出されました。
また総括報告書の説明に対しては、「もう少し検証の中身についての説明や、質問に答えることが必要。総括とは何なのか、こういう形でいいのかという問いに県は答えていない」と批判が出されました。いつものことですがごくかいつまんだ説明しかせずに、都合の悪いことには触れなかったことが推測されます。
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原発事故検証「総括」 初めての説明会 県民から疑問と不安【新潟】
UX新潟テレビ21 2023/11/30
県による福島原発事故の「3つの検証」について、総括報告書の県民への説明会が29日夜、初めて開かれました。
【動画】原発事故検証「総括」 県の説明に疑問と不安も
説明会には県内12の会場などからのオンライン参加も含めて109人が参加しました。
県の担当者が、総括報告書の内容と、柏崎刈羽原発の安全対策の現状を説明。参加者からは、事故発生時の避難方法について不安の声も出ました。
■参加者
「原発から5~30kmの人は自宅で待ってろという話。これは本当に事故に遭ったときの住民の感情にあっているのか アンケートでは30%がこれを守らないと言っている。」
■県担当者
「質問者の方から頂いている不安はいろんな方からいただいているのは事実。屋内退避の有効性を国の方でも周知してほしいという要望を再三している。」
質疑応答では検証を担当した委員からの説明を求める声も上がりました。
■参加者
「もう少し検証の中身についての説明や、質問に答えることが必要。総括とは何なのか、こういう形でいいのかという問いに県は答えていない。」
■県防災局 原直人局長
「意見や質問、出た内容については県でしっかり受け止めて、今後の原発の安全安心のために生かしたい。」
説明会は12月25日にも開かれます。
2023年12月4日月曜日
原発事故検証「総括」 初めての説明会 県民から疑問と不安
【霞む最終処分】(2)~(3)結論ありきの作業部会~/小委の目的すり替え~
シリーズ「霞む最終処分」の(2)、(3)を紹介します。
トリチウム汚染水の処理方法案の決定において、実績を重視する作業部会主査の山本氏は当初から「海洋放出」か「水蒸気放出」しかないと判断していたということです。もしもそうであれば、1975年に発効し日本も加盟してるロンドン条約では、放射性廃液を海洋に投棄する場合には「投棄する以外に処分する方法がない」場合に限られると規定されているので「水蒸気放出」を選択すべきでした。
原発の通常運転で発生するトリチウム水は微量でしかも連続的に発生するため分離保存が不可能なのに対して、デブリに触れて発生したトリチウム汚染水は、発電系統とは別なので容易に分離保存が出来ます。その点で海洋放出以外にいくらでも処分方法はあるので条約違反になります。
作業部会の後を受けた小委員会(委員長は社会心理学者の関谷直也氏)では、風評被害を避ける観点から「地層注入法」を選択しましたが、経産省は実績がないことを理由に一蹴しました。経産省は当初から「海洋放出」に決めていたからです。
結局その線で公聴会を行った結果至る所で大反対に遭いましたが、政府は最終的に漁業者の納得も周辺国の了解も得ないままで海洋放出を強行しました。
その結果中国は日本産の魚介類の輸入を禁止したため、日本政府は国内の関係者に多額の賠償費を無期限で負担する事態に至りました。省庁が諮問委員会等を設立する場合、担当部署で大筋の結論は出されていて、それに委員会の結論を誘導するのが常態化されていると言われます。これでは委員会の名義を利用しただけということになります。今回は部署が予め決めていた結論が誤りだった事例で、すべての責任は政府・経産省にあります。
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東日本大震災・原発事故12年【霞む最終処分】(2)序章 処理水は語る
結論ありきの作業部会 あえてゼロから議論
福島民報 2023/12/03
東京電力福島第1原発で発生する汚染水は多核種除去設備(ALPS)で62種類の放射性物質のほとんどを除去されて「処理水」となるが、水と性質が似ている放射性物質トリチウムだけは残る。廃炉を進める上で処理水の処分は避けて通れない。敷地内に建設できる保管タンクにも限りがあるためだ。政府は処理水の処分方法を技術的に検討する「トリチウム水タスクフォース」(作業部会)の議論を2013(平成25)年12月に開始した。
「科学的な『常識』で考えれば処理水の処分方法は実績のある海洋放出と水蒸気放出の二つしかなかった。特に原発からのトリチウム水の海洋放出は国内外で行われている」。原子力工学が専門で、作業部会を取り仕切る主査を務めていた山本一良(名古屋学芸大副学長)は、当初から結論は見えていたと明かす。
◇ ◇
トリチウム水は原発稼働によるウランの核分裂や、冷却水に含まれる重水素と中性子の反応などで生成される。一般の原発では国内外で海洋放出されている。水蒸気放出は炉心溶融事故を起こした米スリーマイルアイランド原発などで実績がある。原子力に長年携わってきた山本にとって、作業部会の議論がこの二つの処分方法に帰結するのは当然だった。
ただ、当時はトリチウムの性質に関する国民の理解は全く進んでいなかった。処理水は原発事故で溶け落ちた燃料(デブリ)に一度触れているため、各原発から放出されるトリチウム水とは異なるのではないかとして人々の不安や懸念が増幅するのは明白だった。
山本は作業部会の議論の過程で、技術的に考えられる全ての処分方法を検討することにした。それぞれの手法の実現可能性を目に見える形で国民に示し、処理水処分への理解を促すとの狙いがあった。一部の専門家から「時間の無駄だ」との指摘もあったが、「処分方法を網羅的に議論し、試算結果を客観的に示すことが理解醸成の一つの手段になる」と持論を貫いた。
作業部会は、あえてゼロから議論を重ねた。海洋放出と水蒸気放出に加え、地層注入、水素放出、地下埋設で処分する場合に必要な設備や費用、規制などを検討し、試算した。「それぞれの手法を比較することで、とうてい実現できない方法があることも分かってもらえると考えた」。山本には海洋放出と水蒸気放出の現実性が浮かび上がるとの算段があった。
◇ ◇
2年半の議論を経て、作業部会は2016年6月に五つの処分方法を示した報告書をまとめた。技術的な観点で検討した結果、海洋放出が最も短期間、低費用で実施できるとの内容を盛り込んだ。
一方、山本の狙いとは裏腹に、国民の理解醸成は進まなかった。かえって海洋放出が有力視されたことで、漁業者らの処理水処分による風評発生への懸念はさらに広がり、反対論が噴出した。
山本は一筋縄ではいかないと考えていた。報告書の最後で「トリチウム水の取り扱いは風評に大きな影響を与えうる」とし「技術的な観点に加え、風評被害などの社会的な観点なども含めて総合的に検討を進めてほしい」と結んだ。
政府は報告書を受けてから5カ月後、処分方法の検討に風評影響を抑制するための視点を加えた議論を始めた。「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との県漁連と交わした約束から1年余り。「舌の根も乾かぬうちに」(政府関係者)処分方法を海洋放出とする結論に向けた流れは強まっていく。(敬称略)
【作業部会が検討したトリチウム水の処分方法】
■地層注入
パイプラインを通じ、深い地層中に注入する。
■海洋放出
希釈、または分離をした上で海洋に放出する。
※国内外の原子力施設で実績あり
■水蒸気放出
トリチウムを含む水蒸気を排気筒から大気に放出する。
※米スリーマイルで実績あり
■水素放出
トリチウムを水素に還元し、大気に放出する。
■地下埋設
トリチウム水とセメント系の固形化剤を混ぜ、コンクリートピットの区画内に埋設する。
東日本大震災・原発事故12年 【霞む最終処分】(3)序章 処理水は語る
小委の目的すり替え 風評対策は発展せず
福島民報 2023/12/04
東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法を巡る政府の検討は2016(平成28)年11月、風評影響などに詳しい社会学者らを交えた小委員会による議論に移った。「実際に処分した際に起こりうる風評を考察し、処分方法と具体的な対策を議論する」。委員を務めた社会心理学が専門の関谷直也(東大大学院教授)は当初、小委の目的をこう理解していた。
だが、風評に関しては課題の整理のみで具体的な対策に発展しなかった。3年超に及ぶ議論の末に打ち出したのは、処分方法について「海洋放出ありき」の結論だった。関谷は知らぬ間に目的がすり替わっていたことに、煮え切らない思いを抱える。
◇ ◇
開始から1年ほど過ぎたころ、関谷は違和感を持った。地層注入の検討を提案したが、実績がないことを理由に一蹴された。経済産業省の担当者や技術系の委員と話すと、海洋放出が前提となっているように思えた。「海洋放出と水蒸気放出以外は議論すらしていないのに…」と唇をかむ。あらかじめ用意された結論に向けて時間ばかりが経過していった。
処理水の処分方法を技術的に検討した「トリチウム水タスクフォース」(作業部会)の主査を担い、小委で委員長を務めた山本一良(名古屋学芸大副学長)は「技術系の委員が思いもつかないような風評対策を期待していた」と狙いを語るが、議論は風評対策の深掘りに至らなかった。「新たな手だてを見いだせなかったため」と振り返る。
◇ ◇
小委が議論を重ねている間も、福島第1原発で日々発生する汚染水は多核種除去設備(ALPS)で浄化され、処理水としてタンクにたまり続けた。原発敷地は千基ほどのタンクが林立しており、東電は今後の廃炉工程との兼ね合いから「増設しない」と宣言した。
さらに、2019(令和元)年8月の小委でタンクが満杯になる時期の試算結果を初めて公表した。「2022年夏ごろ」。放出準備に要する2年を差し引くと、政府が処分方法を判断する期限は2020年夏だった。必然的に小委で議論できる時間も残りわずかとなった。
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2020年2月、小委は処分方法について「水蒸気放出と海洋放出が現実的な選択肢」とした上で「海洋放出の方が確実に実施できる」とする報告書をまとめた。4年前に作業部会が提出した報告書よりも明確に海洋放出を強調する内容だった。山本は「海洋放出の方が確実にモニタリングで監視できる。原子力工学の専門家として、政府が判断に迷うような結論にはしたくなかった」と力説する。ただ、関谷は「時間をかけた割には、結果として処分方法を絞るだけに終わった」と不満を漏らす。
小委から報告書を受けた後も政府はすぐに処分を決断できなかった。「漁業者らの理解が全く進んでいなかった」(政府関係者)からだ。後に東電は汚染水発生量を抑制できているとしてタンクの満杯時期の試算を2022年秋以降に延ばした。政府は2021年4月にようやく海洋放出方針を決定した。しかし、肝心の処理水や海洋放出への国内外の理解醸成は進んでいるとは言いがたい状態だった。(敬称略)
04- 柏崎刈羽原発、運転禁止命令の解除判断大詰め 規制委検査の報告書案示す
原子力規制委は29日、臨時の非公開会合を開き、追加検査の結果をまとめた報告書案を示しました。早ければ年内にも命令解除の可否を最終判断します。
追加検査と並行して、東電に原発を動かす「適格性」があるかどうかを再確認する報告書の作成も進めており、追加検査の報告書と同時に適格性の有無についても議論します。
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柏崎刈羽原発、運転禁止命令の解除判断大詰め 規制委検査の報告書案示す
産経新聞 2023/11/29
テロ対策の不備で事実上の運転禁止命令が出ている東京電力柏崎刈羽原発について、原子力規制委員会は29日、臨時の非公開会合を開き、追加検査の結果をまとめた報告書案を示した。規制委による追加検査は大詰めを迎え、早ければ年内にも命令解除の可否を最終判断する。
柏崎刈羽原発では東電社員によるIDカードの不正使用や、侵入検知器の故障などテロ対策の不備が相次いで発覚。規制委は令和3年に核燃料の移動を禁止する是正措置命令を出し、追加検査を続けている。
また、追加検査と並行して、東電に原発を動かす「適格性」があるかどうかを再確認する報告書の作成も進めており、追加検査の報告書と同時に適格性の有無についても議論する。
2つの報告書が規制委に了承されれば、委員による現地視察と東電の小早川智明社長への意見聴取を踏まえ、命令解除できるかどうか判断する見通し。山中伸介委員長は29日の記者会見で判断時期を問われ「それほど遠くない」と述べるにとどめた
2023年12月2日土曜日
東海第2原発の重大事故時 避難者は「最大17万人」 茨城県が「30キロ圏内」対象に予測
茨城県東海村は1日、学識経験者や住民代表らでつくる原子力安全対策懇談会を開き、東海第2原発の重大事故に備えた広域避難計画の素案を初めて示しました。ただ、具体的な避難先や避難経路は全て「調整中」とされ、村は最終的な計画を改めて示す予定です。
山田修村長は避難計画を「年内に公表」として来ましたが、現段階では方向性が示されたということに留まり計画の全貌は未定です。30キロ圏内の91万人中、避難対象者数を最大17万人に絞った点も問題です。
東海村議員の阿部功志さん(無所属)は、実効性ある避難計画ではなく避難弱者を切捨てているし、避難の方法として「ターミナル方式」を採用したのも現有の職員数では各避難所の面倒を見ることが出来ないためで、上手くいかないと思われると語り、全体的に計画が余りにも粗雑で無責任であり、何故こんなに公表を急ぐのかと批判しました。
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東海第2原発の重大事故時…人口91万人でも避難は「最大17万人」 茨城県が「30キロ圏内」対象に予測
東京新聞 2023年11月29日
茨城県は28日、日本原子力発電東海第2原発(同県東海村)で炉心が損傷する重大事故が起きた場合、放射性物質が周辺にどのように拡散するかのシミュレーション(予測)結果を公表した。事故対応状況や気象条件を変えた計22パターンのうち、原発から30キロ圏内の避難者は最大で約17万人に上った。県は予測結果を活用し、避難計画の実効性を検証する。
◆原発30キロ圏内の人口は全国最大の91万人超
東海第2原発は首都圏唯一の原発で、2011年の東日本大震災後、運転停止中。東海村など重大事故時に即時避難する半径5キロ圏内に6万4451人が居住。毎時20マイクロシーベルトの空間放射線量で避難となる半径30キロ圏内を含めると、14市町村で全国最大の計91万6510人が住む。
予測は県が日本原電に要請した。事故状況をフィルター付きベントなど事故対策設備の一部が機能した場合と、「ほぼ全て」が機能喪失した場合の2通りを想定。それぞれ気象条件を
(1)同じ風向きが長時間継続
(2)同じ風向きに加えて降雨が長時間継続
(3)ほぼ無風
と変え、24時間後の放射性物質の拡散範囲を分析した。
◆避難者が最大となるのは「水戸市方面が風下かつ降雨あり」
避難者が最大となったのは、原発から南西、水戸市の方向が風下となり降雨を伴った場合で、対象人口はひたちなか、那珂両市で計10万5191人。5キロ圏内からの避難者を合わせると計16万9642人となる。同じ風下方向で降雨がない場合でも、水戸市で約5万9000人の避難者が出た。
一方、原子力規制委員会の審査で用いる重大事故を想定したもう一つのケースでは、5キロ圏内を除いて避難が必要となる地域は発生しなかった。
東海第2の事故時の広域避難計画は県のほか周辺5市町が既に持ち、他自治体も今後策定する。県の担当者は「予測結果をもとに、計画での避難にかかる時間や車両配備などの実効性を検証する」としている。
予測結果は県ホームページ「原子力安全対策課」で公開している。(竹島勇)
◆大井川和彦知事は避難の実効性に自信を見せるが…
茨城県が重大事故時の放射性物質の拡散予測を公表した日本原子力発電東海第2原発は、岸田政権が再稼働を目指す原発の一つに挙げる。再稼働は地元自治体の広域避難計画策定が条件で、予測結果は計画づくりの大前提となるが、想定には甘さが否めない。
東海第2の再稼働を巡っては2021年3月、水戸地裁での訴訟で「避難計画の実効性がない」などの理由から運転を認めない判決が出た。大井川和彦知事は28日の記者会見で「最大でも17万人の避難という結果が出た。相応の準備をすれば(避難計画の)実効性は確保できる」と述べた。
◆想定が少なすぎる?
ただ今回の予測は、安全対策が「機能した」「機能しなかった」の二つの想定しかなく、放射性物質の放出時間も事故後24時間限定で、想定規模は福島第1原発事故より小さい。避難者が出るケースも隕石(いんせき)落下やミサイル攻撃など「現実的には考えにくい」とするが、ウクライナ紛争では実際に軍事攻撃の標的になるなど「想定外」はあり得る。
実際に重大事故が起きれば、避難対象地域外で自主避難者も出る。原子力防災に詳しい環境経済研究所(東京)の上岡直見代表は「人員や車両を整えれば避難はできても、その間に住民の被ばくが許容量を超えたら意味がない。被ばくに関しどう実効性を検証するのかが見えない」と話す。
県は条件や設定を追加した分析を原電に求めた。真に「実効性ある」避難計画づくりにはまだまだ時間を要する。(長崎高大)
東海村、原子力安全対策懇で素案提示 避難先や経路「調整中」 「年内公表」は不透明
東京新聞 2023年12月2日
茨城県東海村は1日、学識経験者や住民代表らでつくる原子力安全対策懇談会を開き、東海第2原発の重大事故に備えた広域避難計画の素案を初めて示した。ただ、具体的な避難先や避難経路は全て「調整中」とされた。村は最終的な計画を改めて示す予定だが、山田修村長が目標とする「年内公表」は不透明な状況だ。
素案では避難方法を「ターミナル方式」とした。村の広域避難先の取手、守谷、つくばみらい3市内に数カ所の「避難経由所」を設け、村民は小学校区ごとにいったん指定の経由所に避難する。経由所を基点に、受け入れ態勢が整った避難所から順に避難先が割り振られる。
村によると、計画で最終的に示されるのは「避難経由所」のみで、村民が実際に避難生活を送ることになる具体的な施設名は記載されない見込み。
避難手段は自家用車での避難を基本としている。自家用車が利用できない場合は、徒歩で村内の一時集合所へ行き、そこからバスで避難したり、自宅から福祉車両で避難したりすることを想定。バスや福祉車両の手配は県や国が行う。
山田村長は計画の年内公表を目標に掲げており、懇談会冒頭のあいさつで「懸案となっている避難先の確保は、どうにか全村民が避難できる見通しがついた」と説明した。しかし村によると、個別の避難所確保はまだ調整中で、最終的に計画を承認する村防災会議が年内に開催できる見通しは立っていない。(長崎高大)
<東海第二原発 再考再稼働>(59)
東海村議編 実効性ある避難計画 不可能 無所属・阿部功志さん(68)
東京新聞 2023年12月1日
東海第2原発を再稼働させるべきでない理由はたくさんあるが、広域避難計画の策定ができないことは大きな理由の一つだ。山田修村長は年内に村の計画を公表すると言っているが、まともなものは出てこないだろう。
計画策定の課題として当面問題となるのは、避難先をどう確保するかという点。もう一つ、バスや福祉車両など避難手段をどうするのかという問題もある。村は、高齢者や障害者など支援を要する人の個別の避難計画ができているかには関係なく、避難先が決まれば広域避難計画を公表すると言っている。これは、実際に避難できない人がいても構わないからとにかく公表するということで、随分乱暴だと思う。
避難先の確保について、山田村長は村の広域避難先になっている取手、守谷、つくばみらいの3市の公共施設だけでは足りないから、民間施設も含めて見通しがついたと説明している。ただ、東海村の3万8千人の住民が3市に避難すれば、各市の人口規模からも大きな混乱が起こるだろう。
避難の方法としては「ターミナル方式」を採用すると言っている。これは、最初に決めていた「地区ごとの避難」ではなく、大規模な施設を基幹避難所に設定し、準備ができた避難所に、どの地区からを問わず村民を先着順で避難させるやり方だ。つまり、全く知らない人だらけの場所で避難生活を送ることになる。それでコミュニティーが維持されるとは思えない。
このやり方だと多くの村民が基幹避難所に殺到することになる。長蛇の列で待たされたり、渋滞や駐車スペースの問題などが想定されるが、それらの対策はおそらく考えていないだろう。全村民をあらかじめ避難所に割り振る当初のやり方だと各避難所の面倒を見る職員数が圧倒的に足りないから、ターミナル方式が持ち出されたのだろうが、うまくいかないと思う。
危機管理の考え方の根本にあるのは、最悪の事態を想定することだ。「100%はあり得ない」とよく言われる。結果としてそういう部分はあるかもしれないが、少なくとも計画段階では99・9%ではだめで、100%じゃないといけない。例えば100人いて99人が逃げられればいいだろうという計画は、最初から立ててはいけない。
ところが、村は要支援者の具体的な避難手段の見通しがないにもかかわらず、広域避難計画を公表しようとしている。「避難先や車両の確保はできていないが、それは県の役割。村として準備するものは全て整ったから公表していいんだ」と考えているのなら、あまりに粗雑で無責任だ。それが県の仕事だと言うなら、少なくともその見通しがついたと県から報告があるまで、村の避難計画を公表するべきではない。
複合災害を全く想定していないことも問題だ。1次避難所だけでもここまで調整に手間取っており、当初に設定していた避難所が使えない場合を想定した2次避難所については、おそらく全く考えていないだろう。このほかにも多くの問題を抱えているため、実効性のある広域避難計画の策定は不可能だというのが、私の主張だ。
ここまで欠陥の多い状態の避難計画なのに、なぜむきになって公表を急ぐのか。計画ができたことにして再稼働に進みたいという思惑が見え見えだ。山田村長は事業者や権力者の方ばかりを向いており、村民の方を向いていない。(聞き手・長崎高大)
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東海第2原発の重大事故時の放射性物質拡散予測の結果が公表された。これを受け周辺自治体では、再稼働の前提となる広域避難計画づくりが進むとみられる。東海村は年内に計画公表を予定し、来年1月改選の村議会での議論が活発化する。今回の「再考 再稼働」は「東海村議編」として、会派や立場が異なる村議4人の意見を紹介する。
<あべ・こうし> 1954年生まれ。北茨城市出身。東京教育大(現筑波大)卒。定年まで県内で高校教諭(国語)として勤務後、2016年東海村議選で初当選し、2期目。東京電力福島第1原発事故後、「原発は反倫理的で絶対悪」と考え、村議会では東海第2の再稼働反対の立場で活動する。
柏崎刈羽原発の“追加検査”は終盤に 29日に報告書案提出
11月14日に東電が柏崎刈羽原発の追加検査に関し「残っていた4つの課題の是正措置が全て完了した」と原子力規制委に報告したのを受けて、山中伸介委員長は報告書の作成を事務局に指示し11月29日の規制委で論議することになりました。
その後公開の会合や東電社長との意見交換、山中委員長による現地調査などを経て、規制委は東電に出されている事実上の運転禁止命令を解除するか判断する見通しです。
また、東電の原子力事業者としての適格性の再評価についても、間もなく報告書が取りまとめられるということです。
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柏崎刈羽原発の“追加検査”は終盤に 29日に報告書案提出 原子力規制委が議論へ
NST新潟総合テレビ 2023/11/28
テロ対策の不備を受けた柏崎刈羽原発の追加検査が終盤に入っています。追加検査の報告書案が取りまとめられ、原子力規制委員会の11月29日の会合で議論されることが分かりました。
11月14日、東京電力は柏崎刈羽原発の追加検査に関し、「残っていた4つの課題の是正措置が全て完了した」と原子力規制委員会に報告。
山中伸介委員長が報告書の作成を事務局に指示していました。
それから2週間…
【柏崎刈羽原子力規制事務所 渡邉健一 所長】
「(非公開の)臨時委員会が29日にあり、その中でいわゆる追加検査の報告書案がそこで提出される。議論はされるというところで、そこまでは今決まっている状況」
その後、公開の会合や東電社長との意見交換、山中委員長による現地調査などを経て、原子力規制委員会は東電に出されている事実上の運転禁止命令を解除するか判断する見通しです。
また、追加検査と同時に行われている東電の原子力事業者としての適格性の再評価についても、間もなく報告書が取りまとめられるということです。
霞む最終処分(1)序章 処理水は語る「その場しのぎ」が足かせに
福島民報が「霞む最終処分」と銘打って、福島原発のデブリや中間貯蔵施設の除染土壌の最終処分などの完遂に向けた政府の姿勢を問い直すシリーズを始めました。
福島第1原発のトリチウムを含むアルプス処理水の海洋放出が8月24日に始まり、3回にわたり計2万3351トンが海に流されました。
この海洋放出処分では、政府は漁業者との間で「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」との約束を15年8月24日に交わしましたが、その名義は丁度海外出張中の宮沢洋一経産相に代わって臨時代理の国務大臣高市早苗になっていました。
当時のデブリ接触汚染水の発生量は最も多い時期で1日当たり平均540トンと膨大であったため、これを減らす方法として建屋周辺のサブドレンと呼ばれる井戸から地下水をくみ上げ、浄化して海に放出することで地下水位を下げ汚染水発生量を抑制する「サブドレン計画」が提案されていました。
国はそれを採用したかったのですが、海に流すことによる風評被害を懸念する漁業者からは計画に「反対」の声が上がり実施できないでいました。そこで政府は「サブドレン計画」を実施したい一心から漁業者に寄り添う姿勢を示すべく、『関係者の理解なしには』と書き入れたのでしたが、発出者名を代理大臣名にした辺りに当初から関係者の理解が得られる自信がなかったことが推測されます。
最終的に、漁業者の理解が得られないまま且つ中国の了解も得られないままで、政府は海洋放出に踏み切ったのでした。お粗末というしかありません。
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東日本大震災・原発事故12年 霞む最終処分(1)序章 処理水は語る
「その場しのぎ」足かせに 眼前の計画、容認狙い
福島民報 2023/12/02
東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出開始が8月24日に始まってから3カ月余りが経過した。これまで3回にわたり、計2万3351トンが海に流された。経済産業省の担当職員は、廃炉を進める上で懸案の一つが解消されたことに胸をなで下ろす。一方で、廃炉の完遂に向けて今後乗り越えなければならない幾重もの障壁が脳裏をよぎる。
◇ ◇
放出に至るまでの道のりの険しさを振り返ると、職員は苦い思いがよみがえる。「目の前の課題を乗り切るために急ごしらえした言葉が最後まで足かせになるなんて、考えもしなかった」。2015(平成27)年8月、政府が漁業者と交わした「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」との約束は、後の処理水への対応を巡り政府を悩ませ続けた。
当時、福島第1原発の最大の課題は、増え続ける汚染水の発生量をいかに抑えるかだった。大量の地下水が原子炉建屋に流れ込み、溶融核燃料(デブリ)に触れることで、高濃度の放射性物質を含む汚染水が最も多い時期で1日当たり平均540トンずつ増加していた。
建屋周辺のサブドレンと呼ばれる井戸から地下水をくみ上げ、浄化して海に放出し汚染水発生量を抑制する。この汚染水対策「サブドレン計画」の実現に向け、政府は漁業者の理解を得ようと協議を重ねていた。だが、海に流すことによる風評被害を懸念する漁業者からは計画に「反対」の声が上がっていた。
デブリに触れていない地下水の放出さえ容認されないのであれば、汚染水を浄化した処理水の処分に理解など得られるはずがない ―。政府側に焦りがあった。
政府関係者は約束の文言が生まれた経緯について、「処理水を『処分しない』とは言えないが、漁業者に寄り添う姿勢は示したい。『関係者の理解なしには』と書き入れるのが落としどころだった」と明かす。将来の懸案である処理水処分について漁業者に最大限の譲歩を示しつつ、サブドレン計画の容認を引き出す狙いがあった。
◇ ◇
こうして生まれた「その場しのぎ」の約束は、2015年8月24日付で福島県漁連に示した文書に明記された。ただ、通常であれば発出の名義は所管する「経済産業大臣」のはずだが「臨時代理 国務大臣」となっていた。
当時の総務相で臨時代理だった高市早苗はこの件について自身のコラムで、「経済産業省から当該文書の説明を受けたという記録もない」と明かす。当時の経産相の宮沢洋一が8月22日から24日まで海外出張中だったとした上で、「被災者の皆さまにとっても、日本全体の漁業関係者にとっても、重要な内容を多く含む文書なのに、経済産業大臣名ではなく、臨時代理名で発出した意図も不明」と疑問を呈した。
漁業関係者には「あえて臨時代理の名義とすることで、責任の所在をぼかしたかったのでは」との臆測が今もくすぶる。
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に至る経緯には、政府の都合や思惑が色濃く映し出された。今後の廃炉作業でも同じ対応が繰り返されれば、県民は不安にかられる。デブリや中間貯蔵施設の除染土壌の最終処分などの完遂に向けた政府の姿勢を問い直す。(敬称略)
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