2023年11月20日月曜日

20- 東電は福島原発の放射能汚染水について再処理を約束しているが

 18年に経産省委員会のウェブサイトに掲載されている文書によると、福島に貯留されている89万トンの水のうち、84%にあたる75万トンが、法定限度を超える高濃度の放射性物質を含んでおり、65,000トンの処理水に含まれる放射性物質安全レベルの100倍以上で一部のタンクでは、法定限度の20,000倍にあたる600,000ベクレル/リットル検出されています。

 東電はこれまで、「タンク内の水をもう一度ろ過し、濃度を規制値以下に抑えてから海洋に放出する」と述べてきましたが、実施したという報告はまだありません。超大量の海水によって希釈して済ますというのでは余りにも不誠実です。
 5年前のロイターの記事(自動翻訳文、ごく一部不自然な個所は修正)を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島原発の放射能汚染水について謝罪 東電 汚染水処分検討委で
                         ロイター 2018年10月11日
                      Aaron Sheldrick、Osamu Tsukimori 
東京(ロイター)7年以上前に地震と津波で破壊された福島原発の所有者は、現場で処理された水にはまだ放射性物質が含まれていると述べた。

東京電力の許可は、海水を放出する可能性を台無しにしかねず、原子力規制当局は安全だと言っているが、地元の漁師たちは反対している。
東京は5年以上前に2020年夏季オリンピックの招致を勝ち取り、安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(I OC)での最後の演説で、福島は「コントロールされている」と宣言した。
破壊された原発に貯蔵された約100万トンの水は、オリンピックのプール約500杯分に相当するが、潜在的に有害な放射性粒子が検出可能なレベルにとどまっていると、東京電力は10月1日、政府委員会で述べた。
東京電力は、水の処分方法を検討している経済産業省傘下の委員会に謝罪した。

2011年3月のマグニチュード9.0の地震と津波は、福島第一原発の6基の原子炉のうち3基でメルトダウンを引き起こし、大気、土壌、海洋に放射能をまき散らし、16万人の住民が避難を余儀なくされ、その多くが戻ってこない。
25年前のチェルノブイリ原発事故以来、世界最悪の原発事故でした。
何百人もの死者は、危機的状況下での避難の混乱と、それ以来難民が経験した苦難とトラウマに起因しているが、政府は先月、原発の作業員1人が放射線被曝で死亡したことを初めて認めた。

政府委員会のウェブサイトに掲載されている文書によると、福島に貯留されている89万トンの水のうち、84%にあたる75万トンが、法定限度を超える高濃度の放射性物質を含んでいる
65,000トンの処理水に含まれる放射性物質のレベルは、政府の安全レベルの100倍以上です。
これらの同位元素の1つであるストロンチウム90の放射能測定値は、人間の健康に危険であると考えられていたが、一部のタンクでは、法定限度の20,000倍にあたる600,000ベクレル/リットル検出された
東京電力は長年にわたり、汚染水からストロンチウムと他の61の放射性元素を除去するが、水から分離するのが難しい軽度の放射性元素であるトリチウムは残すと主張してきた。
トリチウムは、通常運転中の原子力発電所で希釈後に定期的に放出されます。
東電の広報担当者は「決定が下されれば、タンク内の水をもう一度ろ過し、水位を規制値以下に抑えてから海洋に放出する」と述べた。
水が溜まったのは、溶けたウラン燃料を安全な温度に保つために、東京電力が3基の原子炉に水を注がなければならないからだ。
原発の上の丘陵から流れ出た地下水は、原子炉の地下室に入り、そこで高濃度の放射能を帯びたデブリと混ざり合う。それポンプで汲み上げられ、処理されてからタンクに保管されます、すぐに満タンになります

そして、コストのかかる凍土壁」は、地下水が地下に入るのを防ぐのに失敗していることが、今年初めにロイターが東電のデータを分析したことで明らかになった。
地下水の浸透は、東京電力の除染を遅らせ、廃炉プロセス全体を損なう可能性がある。
近隣住民、特に漁師は、消費者が福島産の製品を買わなくなることを恐れて、処理水の海洋放出に反対している。
韓国や中国を含む多くの国では、福島県や近隣地域からの農産物に対する規制が続いています。
            報告:アーロン・シェルドリック、月森修

2023年11月18日土曜日

新潟県の『原発に関する3つの検証』説明に「具体的に示すべき」と自治体から意見続出

 17日に開かれた原発に関する「3つの検証」の総括について新潟県が自治体の担当者に説明する会議で、県は3つの検証の報告書の間で「矛盾や齟齬はなかった」という総括を出したということです

 それは各検証委員会が検証の対象を明確に認識していたということに過ぎず、そんな無内容な総括に一体どんな価値があるというのでしょうか。まして自治体の代表に敢えてそんな説明をすることで、一体何が進展するというのでしょうか。理解不能です。
 それは燕市の担当者が「市民に理解していただけるような説明の仕方をしてもらいたい」と述べ、長岡市の担当者が「3つの報告書にある課題や教訓、影響、提言を、柏崎刈羽原発に関する議論の中で具体的に示していくべきだ」と指摘した通りで、県は多年にわたって綿密に検証した結果をどう生かすべきかを真剣に考えるべきです。
 池内元総括委員長による独自の報告書がなおさら待たれます。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新潟県の『原発に関する3つの検証』説明に「具体的に示すべき」と自治体から意見続出
                         BSN新潟放送 2023/11/17
原発に関する「3つの検証」の総括について新潟県が自治体の担当者に説明する会議が開かれました。
この会議は、県が行った「3つの検証」の総括について理解を深めたいと、市町村側が要望して開催されもので各市町村の担当者が出席しました
「3つの検証」をめぐっては外部有識者らでつくる検証総括委員会が総括することになっていましたが、委員長だった池内 了氏と県の間で意見が対立。
最終的に県が総括を行い3つの検証の報告書の間で「矛盾や齟齬はなかった」と結論付けました。

長岡市の担当者は】「課題ですとか、教訓、影響、提言と言ったものを柏崎刈羽原発に関する議論の中で具体的に示していくべきではないかと考えますが」
このほか、市町村からは「県民に分かりやすく説明するべき」という意見や「池内氏がまとめた報告書をどう扱うのか」という質問が出ました。

これに対し県は…
Q「池内氏の報告書は?」
【県原子力安全対策課 金子信之 課長】「これ(県公表)が総括なんだというふうに我々は思っていますので、それ以外はいかがなものかと思いますが、私どもとしてはそれについて何か対応するということは考えていません」
県は「3つの検証の総括」に関する県民説明会を今月29日と来月25日に開催します。
一方、池内氏は22日に独自の検証報告書の完成版を公表するということです。


原発事故“3つの検証”総括を市町村に説明 “冬の避難”に不安の声も 県民説明会は29日から
                     NST新潟総合テレビ 2023/11/17
今年9月に福島第一原発事故に関する、新潟県独自の3つの検証の総括が終了したことを受け、11月17日に県内の市町村の担当者による原子力安全に関する研究会が開かれました。

長岡市 磯田達伸 市長
「(柏崎刈羽原発の)再稼働の議論が将来始まる前に整理して、住民にも説明していく責任が我々にはある
この日は、県の担当者が3つの検証の総括の結果や柏崎刈羽原発で進められている安全対策の現状などについて説明。
市町村の担当者からは、検証の総括に関して「検証で明らかになった課題などを具体的に報告書で示すべき」といった意見が出されました。
また、冬に原発事故が起きた場合の避難に関しては、除雪体制などへの不安の声が上がりました

県防災局原子力安全対策課 金子信之 課長
我々もそういう部分を受け止めながら、市町村さんと一緒になって取り組んでいきたいし、継続していきたい

燕市総務部防災課 深澤賢一 課長
市民に理解していただけるような説明の仕方をしてもらいたい
県は3つの検証の総括についての県民向けの説明会を11月29日と12月25日に開催する予定です。

「遠くない時期に追加検査終了」柏崎刈羽原発 東電が近く4項目の対応完了を報告

 東京電力14日、原子力規制委の非公開の会合で柏崎刈羽原発でテロ対策の不備その他のすべての項目で是正措置が終わったと報告しました。追加検査最終段階に入り、原発事業者としての適格性の再評価についてもまもなく東電が報告書を出す見込みです
 規制委員会はこの2つの報告書の内容や現地の確認などを経て東電に出されている事実上の運転禁止命令を解除するか判断する方針です。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遠くない時期に追加検査終了」柏崎刈羽原発 東電がテロ対策の不備4項目の対応完了報告
                     NST新潟総合テレビ 2023/11/15
柏崎刈羽原発でテロ対策の不備が相次ぎ追加検査を受けている東京電力が14日、原子力規制委員会の非公開の会合ですべての項目で是正措置が終わったと報告しました。
追加検査の最終段階に入ったと判断し、山中伸介委員長が報告書のとりまとめを指示していました。

原子力規制委員会 山中伸介委員長
「それほど遠くない時期に報告書が完成ができるだろう。つまり追加検査が終了するだろうという見通しがたったということです」
追加検査と並行して行われている原発事業者としての適格性の再評価についてもまもなく報告書が上がってくる見込みです。
原子力規制委員会はこの2つの報告書の内容や現地の確認などを経て東電に出されている事実上の運転禁止命令を解除するか判断する方針です。


追加検査は「最終段階」原子力規制委 2つの報告書踏まえ事実上の運転禁止を解除するか最終判断
                       UX新潟テレビ21 2023/11/16
原子力規制委員会の山中伸介委員長は、柏崎刈羽原発で進めている追加検査が「最終段階にある」との認識を示しました。

■山中伸介委員長
「数項目まだ検査が必要な項目があるが、最終的な段階に入った。それほど遠くない時期に報告書が完成できるだろう。つまり追加検査が終了するだろう。」

山中委員長はテロ対策の不備に関する報告書が完成すれば、定例会で議論のうえ、自ら柏崎刈羽原発を視察し、東京電力の経営層とも改めて意見交換する考えを示しました。東電に原発を運転する適格性があるかどうか再確認する報告書も「遠くなく完成する」と見通しを示しました。2つの報告書を踏まえ、事実上の運転禁止を解除するか最終判断します。 

汚染水に漁師悲鳴 紙議員「海洋放出中止を」 参院農水委

 共産党の紙智子議員は16日、参院農林水産委で、福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出が漁業に深刻な影響をもたらしている実態を示し「この先30年以上も流し続けられる中で漁師人生を送らなければならない。海洋放出が漁師にどれだけの重しになっているか考えるべきだ」と放出中止を求めました。
 そして北海道ではホタテの産地価格下落して殻むきホタテの今年9月の価格が、冷凍で前年同月比23・1%、生鮮が同22・8%下落していると「輸出激減分の保管費用や学校給食への提供など、スピード感ある支援を求めました。
 岸田首相は16日、中国の習近平主席サンフランシスコで会談しましたが周氏は海洋放出に関して、「全人類の健康、全世界の海洋環境、国際的な公益に関わる」と述べ日本に対し「国内外の合理的な懸念に真剣に向き合い、責任ある建設的な態度に基づいて適切に対処すべきだ」と求めました
 隣国の了解を得ないまま海洋放出を強行した上に、事後も了解を取れないのは挙げて政府と東電の責任です。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
汚染水に漁師悲鳴 紙議員「海洋放出中止を」 参院農水委
                       しんぶん赤旗 2023年11月17日
 日本共産党の紙智子議員は16日、参院農林水産委員会で、8月24日に始まった東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出が漁業に深刻な影響をもたらしている実態を示し、放出中止を求めました
 「自分が漁師を引退したら、この港に1人しか残らなくなってしまう」―。紙氏は、福島県の70代漁師の思いを紹介し、宮城県では親から引き継いだ若者が「自分は職業選択を間違えたかもしれない」と述べていたとし、「この言葉をどう受け止めるか」と質問しました。
 宮下一郎農水相は「海洋放出は数十年の長期になる。漁業者が安心して生業(なりわい)が継続できる対策をする」と答弁。紙氏は「30年以上も流し続けられる中で漁師人生を送らなければならない。海洋放出が漁師にどれだけの重しになっているか考えるべきだ」と主張しました。
 北海道ではホタテの産地価格も下落しています。紙氏は、殻むきホタテの今年9月の価格が、冷凍で前年同月比23・1%、生鮮が同22・8%下落していると指摘。「ホタテの値段が下がるとホッキやツブにも影響するなど漁業・水産業全体が影響を受ける」と述べ、輸出激減分の保管費用や学校給食への提供など、スピード感ある支援を求めました


習氏、処理水放出「適切に対処すべき」 日中首脳会談 「核汚染水」呼び方変えず
                            産経新聞 2023/11/17
【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は米西部サンフランシスコで16日に岸田文雄首相と会談し、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関して、「全人類の健康、全世界の海洋環境、国際的な公益に関わる」と述べた。習氏は処理水を「核汚染水」と呼び、日本側に対し「国内外の合理的な懸念に真剣に向き合い、責任ある建設的な態度に基づいて適切に対処すべきだ」と求めた

中国国営中央テレビによると、習氏は歴史問題と台湾問題を挙げ、「重大な原則的問題は両国関係の政治的基盤に関わる」と主張。その上で「日本は自らの信義を固く守り、中日関係の基礎が損なわれたり、不安定になったりしないよう確実に保証しなければならない」とクギを刺した。
日中の経済関係については「中日の経済的利益やサプライチェーン(供給網)は深く融合している」と強調し、デカップリング(切り離し)は「誰にとっても利益がない」と述べて反対した。また「真の多国間主義を実践し、開かれた地域主義を発揚し、地域の一体化プロセスを推進し、グローバルな課題に共に対処すべきだ」と日中間の協力強化を訴えた
米国が主導する半導体輸出規制などの対中包囲網を巡り、同盟国などに連携を求めながら強化することに歯止めをかけたいものとみられる。

18- ホタテ加工業者から窮状訴える声 原発汚染水放出で中国の禁輸措置で 自民党青森県連と意見交換 

 青森県内のホタテ加工業者が12日、自民党県連と意見交換し中国の禁輸措置の影響で国内のホタテの相場がどんどん下落するなどし、23年に製造したおよそ8000トンのベビーホタテのうち、7000トンが在庫として残っている窮状を訴えました。
 また東電は賠償額を前年度の売り上げを基準にするとしたが、ホタテの仕入れ価格が22年から上昇している現状を踏まえ、それに見合う補償をすべきだと訴えました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ホタテ加工業者から窮状訴える声 自民党青森県連と意見交換 原発処理水放出を巡る中国の禁輸措置の影響
                       ABA青森朝日放送 2023/11/13
福島第一原発の処理水放出を巡る中国の禁輸措置で、大きな影響を受けている県内のホタテ加工業者が、自民党県連と意見交換しました。
青森市で行われた12日の意見交換で、出席した加工業者からは、中国の禁輸措置の影響で国内のホタテの相場が下落するなどし、2023年に製造したおよそ8000トンのベビーホタテのうち、7000トンが在庫として残っている窮状を訴える声が出ました。

ホタテ加工業者
「8月24日の放出で影響を受けて、どんどん価格が下がっていっている。それでずっと物の動きが止まったような状態になっている」
また、処理水放出による風評被害で、東京電力と行っている賠償交渉については―。

ホタテ加工業者
「東電さんの方では、漁連でまとめても、各社皆意見ばらばらだから漁連とやっても駄目だってことで、東電が、前年度の売り上げを基準にするってしたわけですけれど、ちょっと待ってくださいと」
ホタテの仕入れ価格が、2022年から上昇している現状を踏まえ、その分も含めて補償してほしいといった意見が出ていました。

自民党県連津島淳会長
「県、あるいは、県漁連として、この危機をどう捉えるか、危機をしっかり捉えてもらったうえで、適切な対応をしてもらうことが今、求められている」

自民党県連の津島淳会長は、補償について早急な解決が必要だとしました。 

2023年11月16日木曜日

16- 茨城県 原発等で保管中の使用済み核燃料に課税へ/米国も最終処分場が見つからず

 茨城県は、県内の原子炉施設で保管されている使用済み核燃料について、これまでは再処理事業者のみに課税していましたが、来年度から新たに原子炉施設にも、保管する使用済み核燃料の重さに応じて課税する方針を固めました
 東海第2原発(東海村)を所有する日本原子力発電と、複数の研究用原子炉を持つ日本原子力研究開発機構が対象で、実現すると税収は現行の倍近くになる見込みで、この方式は福井、愛媛、佐賀の3県で既に実施しています。

 ところで東京新聞の関連記事によると、世界最多の原発が稼働する米国では最終処分場を建設する責任は連邦政府が負うシステムになっています。このため連邦政府は、原発内で保管する分に課税されることを逃れるため、使用済みの核燃料を空冷式乾式キャスクに収納して地上保管する方針を決めました。
 保管期間は40年ですが、更新可能のためなし崩しで最終処分場になる惧れがあるということです。

 広大な土地を持つ米国でも使用済み核燃料を埋設する適地が見つからないという状況は、土地が狭小で地震多発国の日本にはなお更地層埋設処分用の適地などあり得ないことを容易に推測させます。安倍政権時代に日本に適地が多数あるかの如き候補地の地図を公表しましたが到底信用することは出来ません(最近日本地質学会がその不当性を批判する声明を出しました)。
 東京新聞の二つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
税収は倍近くに…原発などで保管中の使用済み核燃料に茨城県が課税へ
      日本原子力発電と原子力機構が対象
                        東京新聞 2023年11月13日
 茨城県は、県内の原子炉施設で保管されている使用済み核燃料について、来年度から新たに課税対象とする方針を固めた。条例案を12月の県議会定例会に提出する。これまでは再処理事業者のみに課税していた。税収は原子力事故の安全対策などに充てる。
 現行条例の適用期間が2024年3月で終了するのに合わせた見直し。関係者によると、東海第2原発(東海村)を所有する日本原子力発電と、複数の研究用原子炉を持つ日本原子力研究開発機構が対象で、保管する使用済み核燃料の重さに応じて課税する
 現在の条例での来年3月まで5年間の税収は62億円。県は新条例による28年度までの税収を、現行の倍近い118億円と見込む。法定外税のため地方税法に基づき、県議会で条例案可決後、総務相の同意を得た上で施行する。原子炉施設で保管中の使用済み核燃料への課税は福井、愛媛、佐賀の3県で既に実施している。(竹島勇)


「なし崩しで最終処分地に」 核のごみ、米国でも日本と同じ懸念 解決策は見えず 
                       東京新聞 2022年4月4日
 世界最多の原発が稼働する米国で解決策を見つけられない「核のごみ」処分問題。使用済み核燃料の暫定的な保管場所とされる中間貯蔵施設だが、最終処分のめどが立たない中で「このまま最終処分地となるのでは」との不安は日本と同じ構図だ。核のごみが各原発でたまり続ける姿は、東京電力福島第一原発事故があっても原発を再稼働させている日本と共通している。(米西部ニューメキシコ州などで、金杉貴雄、写真も)

◆「一度事故起きれば、チェルノブイリ」
 「一度事故が起きれば、ここは西テキサスのチェルノブイリになる。子どもたちのため、生まれ育った地域を全米の核廃棄物の処分場にしない」。米テキサス州の西端、アンドルーズ郡で使用済み核燃料などの高レベル核廃棄物の中間貯蔵の候補となっている施設前で、エリザベス・パディーヤさん(33)は訴える。
 運営企業は使用済み核燃料4万トンを全米から受け入れ乾式キャスクと呼ばれる容器で地上保管する計画で、米原子力規制委員会(NRC)が昨年9月に許可。期間は40年だが最終処分地がなければ更新可能だ。
 もうひとつの候補地、ニューメキシコ州リー郡の場合、別の民間会社がNRCに申請した計画では、最大17万トンの使用済み核燃料を1万個の容器で保管する。会社側は「容器は200年以上耐えることができる設計だ」と豪語するが、同郡に住むニック・キングさん(69)は「高レベルの廃棄物を集めたらほかに移そうという意思はなくなり『永久』になる」と懸念する

◆最終処分地の計画頓挫、「核のごみ」行き場なく
 中間貯蔵施設の計画が浮上している背景には、最終処分地の計画が頓挫し、「核のごみ」の行き場がなくなっていることにある。
 使用済み核燃料は放射能が減衰するまで10万年かかる。米国は連邦法で処分責任は連邦政府にあるとし、1987年にネバダ州のユッカマウンテンを唯一の最終処分の候補地に決定。だが、地元から反対論が起き2010年に許可申請手続きが終了し事実上白紙となり、その後の動きはない。
 米国の使用済み核燃料は約9万トンで世界全体の2割を占め、各原発で保管され続け年2000トンずつ増えている。米議会付属の政府監査院(GAO)の分析では、各原発での保管に関する連邦政府の債務総額は20年段階で約4兆円、10年後には約6兆円に達する。
 このため中間貯蔵施設は各原発から使用済み核燃料を集め保管費用を軽減し、最終処分までの「つなぎ」を担う。だが、州をまたいだ二つの候補地で共和・民主両党の州知事が猛反発し、議会でも施設の設置を禁止する法律を可決もしくは審議を進めている

◆日本では青森県に 懸念くすぶる地元
 日本では、使用済み核燃料の一部が青森県六ケ所村の再処理施設に運び込まれているほか、同県むつ市には中間貯蔵施設が建設中だ。ただし国の最終処分地は未定で、地元では事実上の最終保管になることへの懸念がくすぶっている。
 米スタンフォード大のロドニー・ユーイング教授は、米国の中間貯蔵施設は「安全面ではなく、増え続ける保管費をなくしたい財政問題が推進の理由だ」と指摘する。元NRC委員長のアリソン・マクファーレン氏は「数百年以上の期間で核廃棄物を人間が監視し続けられる保証はない」と「中間」の長期化による安全性を憂慮し、最終処分地の選定が必要だと強調する。
 最終処分の計画は行き詰まり、それがなければ中間貯蔵施設もできない。広大な国土の米国でも、核のごみが原発にたまり続けるという袋小路に陥っている。

 米国の原発と使用済み核燃料 米国の原発は2010年当時に104基が稼働していたが、日本の福島第一原発事故などの影響もあり、現在は94基で全電力の約20%を占める。米議会は1982年に原発から出る使用済み核燃料の処分の責任を連邦政府とし、98年までに最終処分を開始すると定めたが現在も約束を果たせず、連邦政府は各原発で保管する電力会社に賠償金を支払っている

2023年11月15日水曜日

川内原発運転延長で規制庁職員が鹿児島県専門委に説明

 川内原発の20年間の運転延長が認可されたことを受け、県の専門委員会今月21日に会合を開き、原子力規制庁の職員から認可に至った経緯を聞くことになりました。

 専門委員会は当初から原子炉の耐久性を判断する根拠を規制委に説明するよう求めていました。この基本的な事項がクリアできなければ運転延長など認められません。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
川内原発運転延長認可を受け県専門委が21日開催 規制庁職員が説明へ 鹿児島
                        MBC南日本放送 2023/11/14
川内原発の20年間の運転延長が認可されたことを受け、県の専門委員会が今月21日に会合を開き、原子力規制庁の職員から認可に至った経緯を聞くことになりました
来年以降、40年の運転期限を迎える川内原発の20年の運転延長は、九州電力が去年、申請し、原子力規制委員会が今月1日に認可しました。
それを受けて鹿児島県は14日、原発の安全性などを検証する専門委員会を今月21日に開くと発表しました。
規制委の事務局である原子力規制庁の職員が出席して、認可に至った経緯などを説明する見込みです。
原子力規制庁の担当者は、翌22日には薩摩川内市議会の原発に関する特別委員会に参考人として出席する予定です。
一方、14日は反原発の市民団体が県に対し、専門委員会で川内原発の安全性をさらに検証するよう要請しました。
塩田知事は今後、専門委員会と県議会の12月議会での議論を踏まえ、運転延長に関する考えを示すことにしています。