2019年2月14日木曜日

デブリが動くことを確認 福島2号機初の接触調査

 福島原発2号機で13日、デブリに直接触れる調査が初めて行われ、小石状の堆積物を動かすことができました。
 2本の「指」が開閉する遠隔操作の装置を使って調べた結果調査をした6か所のうち4か所で小石状の堆積物を動かすことができました。つかむことができた小石状のものは、大きいもので直径8センチほどで、3センチから5センチ持ち上げることもできました。
 一方、粘土状に見えたものは比較的硬く、動かすことができなかったということです。
 
 2号機は、燃料デブリの取り出しに向けた調査や検討がもっとも進んでいて、来年度後半に、別の装置を使って少量の堆積物をサンプルとして取り出す計画です。
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「燃料デブリ」接触調査 初めて実施 福島第一原発2号機
NHK NEWS WEB 2019年2月13日19:25
福島第一原子力発電所2号機で13日、デブリとみられる堆積物に直接触れる調査が初めて行われました。大きなトラブルはなく、堆積物に触れることができたということです。東京電力は、調査結果をもとに具体的な取り出し方法を検討することにしています。
 
福島第一原発2号機では、去年1月、原子炉を覆う格納容器の底に溶け落ちた核燃料と構造物が混じり合った「燃料デブリ」とみられる堆積物が確認されていて、東京電力は13日、この堆積物に直接触れる調査を初めて行いました。
調査は13日午前7時すぎから始まり、最大15メートルの長さまで伸ばせる棒状の装置を原子炉の真下のエリアまで入れたうえで、先端部分を釣り糸のように格納容器の底まで垂らし、堆積物をつかむ装置で硬さや動かせるかどうかなどを調べました。
 
調査は午後3時すぎに終わり、東京電力によりますと、装置の故障など大きなトラブルはなく、堆積物に触れることができたということです。
2号機では、来年度後半に、別の装置を使って少量の堆積物をサンプルとして取り出す計画で、今回の調査結果は堆積物の具体的な取り出し方法を検討するうえで重要です。
調査の詳しい結果について東京電力は、13日午後8時から会見を開き、説明することにしています。
 
前例のないデブリ取り出し
廃炉に向けた最大の難関とされる福島第一原発の燃料デブリの取り出しは、世界でも前例のない取り組みです。
 
旧ソビエトで1986年に起きたチェルノブイリ原発の事故では、原子炉建屋に核燃料およそ170トンが溶けてコンクリートなどと混ざり合い燃料デブリとなって残されているみられますが、「石棺」と呼ばれるコンクリートの構造物で覆うなどしてデブリの取り出しは行われていません。
また、アメリカペンシルベニア州で40年前に起きたスリーマイル島原発事故では、カメラを使った原子炉内部の調査などを経て事故の6年後に燃料デブリの取り出しを始めました。
大きな損傷を免れた原子炉を水で満たすことで放射線を遮り、水中でデブリを砕いて専用の容器に詰める方法で取り出し作業が進められました。
 
一方、福島第一原発の1号機から3号機では、溶け落ちた核燃料が原子炉を突き破って格納容器に達しているとみられ、燃料デブリの総量は数百トンに上ると推定されています。
さらに、事故で損傷した格納容器の修理が難しいことなどから、格納容器は水で満たさず、水位は低いままで空気中で取り出す「気中工法」と呼ばれる方法を軸に進めるとしています。
しかし世界でも前例がなく、放射性物質の飛散を防ぐ対策や放射線量が高い環境で安全対策の徹底を図ることが必要で、具体的な計画を立てられるかが課題になります。
(後 略)
 
「燃料デブリ」動かせること確認 福島第一原発2号機
NHK NEWS WEB 2019年2月13日21:00
福島第一原子力発電所2号機で13日、デブリとみられる堆積物に直接触れる調査が初めて行われ、東京電力は小石状の堆積物を動かすことができたと発表しました。2号機では、来年度後半に少量の堆積物をサンプルとして取り出すことを計画していて、東京電力は、調査結果をもとに具体的な取り出し方法を検討することにしています。
 
福島第一原発2号機では、去年1月、原子炉を覆う格納容器の底に溶け落ちた核燃料と構造物が混じり合った「燃料デブリ」とみられる堆積物が確認されていて、東京電力は13日、この堆積物に直接触れる調査を初めて行いました。
 
調査は13日朝7時すぎから始まり、最大15メートルの長さまで伸ばせる棒状の装置を原子炉の真下のエリアまで入れたうえで、先端部分を釣り糸のように格納容器の底まで垂らし、堆積物をつかむ装置で硬さや動かせるかどうかなどを調べました。
調査は午後3時すぎに終わり、東京電力によりますと、調査をした6か所のうち4か所で小石状の堆積物を動かすことができたということです。
 
また、つかむことができた小石状のものは、大きいもので直径8センチほどで、3センチから5センチ持ち上げることもできました
一方で、粘土状に見えたものは比較的硬く、動かすことができなかったということです。
2号機は、燃料デブリの取り出しに向けた調査や検討がもっとも進んでいて、来年度後半に、別の装置を使って少量の堆積物をサンプルとして取り出す計画です。
東京電力は「今回の調査で堆積物を動かすことが確認でき、大きな知見が得られた」として今後、取り出し方法の具体的な検討を進めることにしています。