福島原発事故後、長期間運転を停止している原発では、ベテランの運転員が退職する一方、トラブルを経験していない若手が増えているため、トラブルを未然に防ぐことができるかが課題になっています。
中国電力では、全国の原発で初めて、AI(人工知能)がベテランの運転員のようにトラブルの兆候を未然に知らせるシステムの導入を検討しているということです。
具体的には、原発の設備や配管などにかかる圧力や温度、振動数など3500点ほどのデータで、これまでの運転記録をもとに少しでも異常な変化が出た場合、自動で感知するというシステムを構築し、そのデータを、全国の原発で過去に起きたおよそ4000件のトラブルの運転記録と照らし合わせて、どのようなトラブルにつながる可能性があるかを予測し、最適な対応方法をいち早く運転員に伝えるというものです。
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中国電力 “AIで原発トラブル兆候を未然に” 導入検討
NHK NEWS WEB 2019年2月3日
8年前に起きた福島第一原子力発電所の事故のあと、全国の多くの原発が長期間停止し、トラブルを経験していない若手が増える中、中国電力の島根原発では、全国の原発で初めてAI=人工知能がトラブルの兆候を未然に知らせるシステムの導入を検討していることが分かりました。
全国各地の原発は、福島第一原発の事故のあと、再稼働した一部を除いて長期間、運転を停止していて、ベテランの運転員が退職する一方、トラブルを経験していない若手が増えているため、トラブルを未然に防ぐことができるかが課題になっています。
中国電力の島根原発でも、1号機の廃炉が決まり、2号機が再稼働を目指して国の審査を受けているほか、新たに3号機の建設が進められていますが、現在稼働している原発はありません。
こうしたことから中国電力では、全国の原発で初めてAI=人工知能がベテランの運転員のようにトラブルの兆候を未然に知らせるシステムの導入を検討していることが分かりました。
具体的には、原発の設備や配管などにかかる圧力や温度、振動数など3500点ほどのデータで、これまでの運転記録をもとに少しでも異常な変化が出た場合、自動で感知します。
そしてAIが、このデータを全国の原発で過去に起きたおよそ4000件のトラブルの運転記録と照らし合わせてどのようなトラブルにつながる可能性があるかを予測し、最適な対応方法をいち早く運転員に伝えるということです。
中国電力の林司原子力安全技術部長は「人と機械がそれぞれ担うべきパートを分担し、互いに安全性を高め合うシナジー効果を発揮し、原発の安全運転につなげたい」と話しています。
中国電力は、運転員がAIに頼りすぎて誤った対応をしないよう、システムの効果的な導入を検討していきたいとしています。