東電と資源エネルギー庁は2日、福島原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す装置を初公開しました。伸縮するロボットアームを原子炉格納容器に入れ、遠隔操作で1グラム程度ずつデブリを回収するもので、21年に2号機で始める試験回収に使用し、デブリの詳しい性質調査につなげます。
格納容器内は毎時70シーベルトと放射線量が極めて高いので、本体や付属の監視計器類の耐性が課題になります。
またデブリ取り出しは将来は一度に数キロの回収を目指しますが、デブリの量は2号機だけでも237トンに上るので、気が遠くなるような工程になります。
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資源エネ庁、デブリ取り出し装置を公開 グラム単位で回収へ 福島第1
河北新報 2020年7月3日
資源エネルギー庁は2日、東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す装置を初公開した。伸縮するロボットアームを原子炉格納容器に入れ、遠隔操作で1グラム程度ずつデブリを回収する。2021年に2号機で始める試験回収に使用し、デブリの詳しい性質調査につなげる。
アームは長さ22メートル、重さ4.6トンで高強度のステンレス鋼製。先端に金属ブラシや真空容器を取り付け、粉状のデブリを付着・吸着させて回収する。23年度以降に開始を見込む本格回収に向けて物質特性を解明し、工法の具体化を図る。
英国で三菱重工などが開発を進めていた。今年8月にも原子炉の構造を模した試験場で訓練を始める。
デブリ取り出しは第1原発廃炉で最難関の作業。将来は一度に数キロの回収を目指すが、格納容器内は毎時70シーベルトと放射線量が極めて高く、視界も限られる。2号機だけで237トンに上るデブリを全て取り出せるかどうかは見通せていない。
東電は2、3、1号機の順に取り出しを進める計画。各号機は内部の状況が異なり、装置や工法はその都度検討が必要になる。
東電、デブリ採取ロボットを公開 21年取り出しへ、英国で開発
共同通信 2020/7/2
東京電力は2日、福島第1原発2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに使う遠隔操作機器「ロボットアーム」の英国での開発状況を明らかにした。第1原発で初めてとなるデブリ取り出しは、2021年に始める計画。
ロボットアームは国際廃炉研究開発機構(IRID)と三菱重工業が英国の原子力関連企業と共同で開発している。長さ約22メートル、幅約25センチ、高さ約40センチで、高強度のステンレス鋼でできており、重さ約4.6トン。放射線量が極めて高い原子炉格納容器の内部に差し込んで遠隔で作業する