東電は9日の規制委との会合で、柏崎刈羽原発の6号機と7号機について、原発の管理や点検の手順などをまとめた「保安規定」に、事故につながるリスクは不確実、未確定なものでも社長が速やかに報告を受け、対応を判断すること、また、その記録を5年間、保存することなどを明記すると説明しました。
それに対して規制委側は、保存期間が短いとしたほか、事故が起きた場合の社長の責任をより明確にする必要があると述べました。
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原発事故時 “社長の責任明確に” 原子力規制委が東電に求める
NHK NEWS WEB 2020年7月10日
原子力規制委員会は東京電力が原子力発電所の管理の手順などをまとめた「保安規定」の中で、原発事故が起きた場合の社長の責任をより明確にするよう求めました。
原子力規制委員会は新潟県にある柏崎刈羽原発の6号機と7号機について、新しい規制基準に適合しているとして3年前に再稼働に必要な審査に合格を出しましたが、原発の管理や点検の手順などをまとめた「保安規定」に、二度と事故を起こさないための東京電力の考え方と姿勢を明記するよう求めています。
これについて東京電力は9日の規制委員会の会合で、事故につながるリスクは不確実、未確定なものでも社長が速やかに報告を受け、対応を判断すること。また、その記録を5年間、保存することなどを明記すると説明しました。
しかし、規制委員会側からは保存期間が短いとの指摘が出たほか、事故が起きた場合の社長の責任をより明確にする必要があるとして、法律の専門家の意見書などを提示するよう求めました。
東京電力は改めて内容を検討するとしています。
9年前の福島第一原発の事故では東京電力が巨大津波のリスクを示す研究に対して、「まだ確定した知見ではない」などとして、対策の着手に遅れたことが教訓の1つとされています。
事故時の社長過失責任の明示を 規制委、柏崎原発巡り要求
共同通信 2020/7/9
東京電力は9日、柏崎刈羽原発(新潟県)の安全管理事項を定めた保安規定の変更案を原子力規制委員会の会合で示した。社長の責任を明確にしたと説明したが、規制委側は事故時に社長の過失責任が問える体制になっているか不明確だとして再検討を求めた。
東電は3月、「福島第1原発の廃炉をやり遂げる」「経済性よりも安全性を優先する」などと盛り込んだ変更案を示したが、規制委は社長の責任が明確でないことを問題視していた。
会合で東電は「設計の想定を超える恐れがあるリスク情報が得られたら速やかに社長に報告し、社長はリスク緩和措置を検討する」などと説明した。