2020年7月2日木曜日

セシウム含有の焼却灰や腐葉土は使えない 飯舘村でジャガイモを実験栽培

 野焼きなどで出た灰や、野山で大量に出る落ち葉で作った腐葉土を、市販の培養土に混合して作物を育てた結果、どちらの場合も含有量に比例して作物にセシウムが移行することが確認されました。や腐葉土中のセシウムは、通常と異なり土中の粒子に固着しないためです。
 東京新聞と飯舘村の伊藤延由さんが実験で検証しました。
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灰や腐葉土は使って大丈夫? 福島・飯舘村でジャガイモを実験栽培
東京新聞 2020年07月01日
 野焼きなどで出た灰や、野山で大量に出る落ち葉は、古くから豊かな土づくりに活用されてきた。ただし、東京電力福島第一原発事故で汚染された地域では、灰や落ち葉に放射性セシウムが含まれ、不用意に農地で使えば作物を汚染させる懸念もある。そのリスクを、飯舘村の伊藤延由さん(76)と検証した。(山川剛史)

 検証では、芽に毒があるため、イノシシに食い荒らされにくいジャガイモを使った。市販の培養土に汚染灰の量を変えて調合した土、村内の林で取った腐葉土や元農地の土など7種類で育て、ジャガイモにセシウムが移行するかを試した。灰に含まれるセシウムは、水に溶けやすい状態で存在することが知られている。汚染灰入りの土では、灰の多さに比例し、ジャガイモが汚染されていた。一方、畑だった土はそれなりに汚染されていても、ほとんど作物の汚染はなかった。 
 予想外だったのが腐葉土。「土だから、高濃度でも移行は少ないだろう」と予想していたが、ほぼ汚染灰入りの土と同じようにセシウムが移行していた。 

 森敏東大名誉教授(植物栄養学、土壌学)は「畑などの土では、セシウムは土の粒子に固着し、根から阪い上げられることはほとんどない。腐葉土は、土のように見えるが、落ち葉が分解される途中のもの。根は容易にセシウムを吸い上げてしまう」と指摘。 
 放射能汚染が残る地では、灰や落ち葉を使った循環型農業は厳しい状況にあることを、あらためて認識させられた。