2023年2月2日木曜日

柏崎刈羽原発 県独自の3つの検証終了 総括委員会開催に目途立たず

 新潟県独自の3つ検証委員会は検証を終了しましたが、総括委員会は県と池内了・総括委員長の間に方針のズレがあり、約2年間会合が開かれていません。花角知事は1日、総括委員会検証のとりまとめを求める考えを改めて示し、「県がお願いしたこととは別のことをやるというのは違う」との考えです。

 それに対して池内了氏は、「県が依頼した委員会は県の意向に従うべきというがそれは暴論で、委員会の自主性や自立性を重んじるべきだ」と述べています。
      ⇒(2月1日)  池内了氏は委員会の自主性を重んじるべきと
 TeNYテレビ新潟BSN新潟放送の記事を紹介します。
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原発の安全性めぐる県独自「3つの検証」 すべての議論終了も総括のめど立たず
                         TeNYテレビ新潟 2023/2/1
原発の安全性をめぐり、新潟県が独自に進めてきた「3つの検証」。1月30日、すべての議論が終了しました。今後、検証を総括する委員会の開催が焦点となりますが、県の方針とずれがあり、開催のめどが立っていません
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6・7号機。再稼働の議論の前提として県は2017年から原発の安全性を検証する「3つの検証」を進めてきましたが1月30日、「健康分科会」で最終報告書の案が示され、すべての議論が終了しました。
今後、「3つの検証」を最終的に取りまとめる「検証総括委員会」の開催が焦点となりますが、検証の議題などをめぐり、県と池内了委員長の間に方針のズレがあり、約2年間、会合が開かれていません。

花角知事は2月1日、総括委員会で検証のとりまとめを求める考えを改めて示しましたが…
花角知事
「(検証総括委員会で)束ねられた時をもって、検証がひとつの区切りを迎えたということ。(池内委員長は)お願いしたこととは別のことをやりましょうというのは、そこは違いますよね」

柏崎刈羽原発をめぐっては1月、3号機の審査書類で2号機の情報を流用していたことが明らかになっています。
2月1日に開かれた県の技術委員会。この問題が取り上げられました。
岩井孝委員
非常に問題だと私は思います。こんなようなかたちで(3号機の)審査資料を作成するということ自身が私は考えられないです
東京電力の対応に対し、委員から厳しい言葉も飛びました。
技術委員会 小原徹座長
運転適格性にかかわる案件と私も思っておりまして、今後、原子力規制庁の追加検査等もいろいろ行われておりますので結果を待って国から説明・報告をしていただく」
委員からの指摘に対し、東京電力は「調査が十分でなかった」などと釈明しました。


柏崎刈羽原発再稼働の検証総括委員会「膠着状態だと今は思っていない」新潟県花角知事
                          BSN新潟放送 2023/2/2
原子力発電所に対する新潟県独自の3つの検証をめぐり、県との意見の食い違いが続く検証総括委員会の池内了(いけうち・さとる)委員長の再任について花角知事は、「今は判断する時だと思わない」と述べました。
柏崎刈羽原発の再稼働の判断材料となる県独自の3つの検証のうち、最後まで議論が続いていた『健康分科会』では、30日に最終報告書案がおおむね了承されました。
一方で、3つの検証を取りまとめる検証総括委員会は、県と池内了委員長との間で考え方に違いがあり2年間開かれていませんが、委員長の任期は3月末までとなっています。
池内委員長の再任について記者団に問われた知事は、
【新潟県 花角英世知事】「もう膠着状態だな、これ以上何も動かないなという場面がどこかで来るかもしれません。その時には、何らかの判断をしなきゃいけないとは思いますが、今はそうだとは思っていません」と述べました。
加えて花角知事は「県の方針のもとで引き受けた以上は役割を果たしてほしい」と話しています。