東電が放出水の放射性核種の測定項目を現在測定している64種類の放射性核種のうち27種類を対象にして、それに新に4種類を加えた31個に減らす案で、日本の原子力規制委員会の審査を受けています。
これについて韓国の外交部は10日の会見で、IAEAのモニタリング特別チームが、昨年2月の1回目の訪日の際、64個の測定・評価対象の核種を予測ではなく実測をもとに調整するよう要請したためだと説明し、その経過を了承しています。
他にも問題がありそうですが、外交部は「IAEAは、2~3月中に出すモニタリング特別チームの3回目の訪日の結果報告書に、これに関する検討意見を入れる予定」だとし、「韓国政府は国民の健康と安全を最優先にし、汚染水が科学的かつ客観的な観点で安全であり、国際法と国際基準に合致する方式で処理されなければならないという立場を堅持する」と述べました。
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日本、福島原発汚染水の測定核種数を減らす…専門家「安全を懸念」
ハンギョレ新聞 2023/2/11
日本の東京電力が海洋放出しようとしている福島第1原子力発電所の汚染水の測定と評価の対象核種を大幅に減らす計画を立て、日本の原子力規制委員会の審査を受けている事実が遅れて分かり、安全に対する懸念が生じている。
韓国政府は10日、これについて、日本が推進する測定・評価の対象となる核種の縮小は、国際原子力機関(IAEA)の要請により再選定した結果だとする立場を明らかにした。一部で指摘されているように日本が一方的に推進したものではないということだ。
文化放送(MBC)は9日、ニュース番組「ニュースデスク」で、野党「共に民主党」のイ・ジェジョン議員室が入手した資料などをもとに、日本が福島原発汚染水に対して測定する核種の半分以上を対象外とする案を昨年末に韓国側に伝え、安全に対する懸念が強いと報じた。
イ議員室が韓国の原子力安全委員会から得た資料によると、東京電力は現在測定している64種類の放射性核種のうち37種類を対象外にして4種類を新たに加え、測定する核種の数を31個に減らす案を設け、日本の原子力規制委員会の審査を受けている。
これについて外交部は10日の会見で、福島第1原発の汚染水放出計画の安全性を検証しているIAEAのモニタリング特別チームが、昨年2月の1回目の訪日の際、64個の測定・評価対象の核種を予測ではなく実測をもとに調整するよう要請したためだと説明した。これにより東京電力は、実測データや核種ごとの半減期などを考慮し、測定・評価の対象となる核種をトリチウムを含む31個に再選定する修正案を設け、日本の原子力規制委員会に認可を申請したということだ。
韓国の原子力安全委員会の資料によると、東京電力が測定・評価対象からはずした核種には、セシウムやストロンチウムの同位元素も含まれている。最も危険だといわれているセシウム(Cs)-137とストロンチウム(Sr)-90は残し、セシウム-136とストロンチウム-89を対象外としたのだ。これについて、ソウル大学原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は本紙の取材に対し「福島原発汚染水のような場合は物量が多いので、高分解能で区別するのが難しく、ストロンチウム-89を対象外とすれば、ストロンチウム-90まで丸ごと漏れてしまうことになりうる」として懸念を示した。ストロンチウム-90は骨に蓄積され、血液ガンを誘発することが報告されている。
ソ教授はさらに、「半減期を考慮して核種を選定することは、核分裂が終了したとすれば正しい。だが、沸騰水型原子炉である日本の原発では、地下水でも雨水でも水さえあれば核分裂するので、現在でも福島では放射性物質が生成されていることを考慮する場合、正しくない」と述べた。
外交部関係者は「日本が一方的に行ったことではなく、IAEAがそうしたほうが良いと提案をしてなされたこと」だとし、「科学的かつ客観的に行うことであり、(測定)個数を増やせば正確だといえるものではないため、日本側の説明を理解している」と述べた。日本は昨年12月22日の韓日局長級協議で、測定・評価核種の再選定について韓国に説明した。
外交部は「IAEAは、2~3月中に出すモニタリング特別チームの3回目の訪日の結果報告書に、これに関する検討意見を入れる予定」だとし、「韓国政府は国民の健康と安全を最優先にし、汚染水が科学的かつ客観的な観点で安全であり、国際法と国際基準に合致する方式で処理されなければならないという立場を堅持し、対応していくだろう」と明らかにした。
原子力安全委員会の関係者は「東京電力はIAEAの要請により64種類から31種類に減らしたが、そこで対象外となったものも同水準でモニタリングすると明らかにしている」とし、「そうした点を具体的にどのようにするのかを引き続き確認している」と述べた。
キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )