2023年2月2日木曜日

高浜原発4号機、点検中に原子炉停止 制御棒関係で不具合か

 1月30日に高浜原発4号機が原子炉の中性子量急減によって自動停止した件は、制御棒が動かないように電磁力で保持している爪2カ所のうち1カ所の電流の数値が、通常より低いことが確認されたので、同日午後3時21分、点検するため異常がない方の爪を保持したまま駆動装置の電源を切ったところ、(制御棒が落下し)数十秒後に原子炉内の中性子が急速に減少したことを示す別の警報が出て、運転が自動停止したものと分かりました。
 今後詳しく原因を究明するということです。
     (1月31日)関西電力 高浜原発4号機が自動停止 中性子量が急減で
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高浜原発4号機、点検中に原子炉停止 制御棒関係で不具合か
                             毎日新聞 2023/2/1
 運転中の1月30日に自動停止した関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)について、原子力規制委員会は1日、原子炉の出力を制御する制御棒の駆動装置の電源を点検のために切り、その数十秒後に自動停止していたと発表した。これに先だって駆動装置の故障を示す警報が3回出ていたという。記者会見で山中伸介委員長は自動停止の原因について「制御棒に関係する不具合ではないか」と見解を述べた。
 関電からの報告内容が規制委の会合で公表された。それによると、1月25日と29日に駆動装置の故障を示す警報が1回ずつ出たが、いずれも異常は見つからなかった。しかし30日午前0時12分に3回目の警報が出て、調べると、制御棒が動かないように電磁力で保持している爪2カ所のうち1カ所の電流の数値が、通常より低いことが確認された。
 その後、点検するため同日午後3時21分、異常がない方の爪を保持したまま駆動装置の電源を切ったところ、数十秒後に原子炉内の中性子が急速に減少したことを示す別の警報が出て、運転が自動停止したという。
 山中委員長は「原因がハード、ソフト、ヒューマンエラーなのかは、これからの(関電の)原因究明を待ちたい」と話した。【土谷純一】


高浜4号機トラブル、制御棒駆動装置に不具合
                             産経新聞 2023/2/1
営業運転中の関西電力高浜原発4号機で原子炉内の核分裂の状態を示す中性子量が急減し、原子炉が自動停止したトラブルについて、原子力規制委員会は1日、炉内の中性子量をコントロールする制御棒駆動装置に何らかの不具合が発生していたことを明らかにした。この不具合で制御棒が落下し、警報装置が作動した可能性が高い。
      【地図でみる】全国の運転可能原発の運転年数
トラブルは1月30日午後3時20分ごろに発生。規制委によると、直前の同日午前0時10分ごろに制御棒駆動装置の故障を示す警報が鳴り、同社が調べたところ、制御棒を保持する2カ所のラッチ(爪)のうち、1カ所の電流値が通常より低くなっていることを確認。さらに詳細に調べるため、制御盤の電源を落とした直後に原子炉が自動停止したという。
4号機では1月25日と29日にも装置の異常を知らせる信号が出たが、この際は電流値などに異常はみられなかった。
高浜原発では昭和63年12月にも、3号機内で中性子量の異常を知らせる警報装置が作動し、原子炉が自動停止するトラブルがあった。このときは制御棒4本が落下し、中性子量が急減したことがトラブルの原因だった。