復興庁は21日、福島第1原発事故で避難指示が出た双葉町と浪江町の住民意向調査の結果を発表しました。既に町内に戻ったり、将来的な希望を含め「戻りたいと考えている」と答えた割合の合計は、双葉町が14.3%、浪江町が22.9%で2012年度の調査開始以来、過去最高となりました。
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「帰還前向き」過去最高 住民調査、福島の双葉14.3%・浪江22.9%
福島民友新聞 2023/2/22
双葉町と浪江町の帰還の意向
復興庁は21日、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た双葉町と浪江町の住民意向調査の結果を発表した。既に町内に戻ったり、将来的な希望を含め「戻りたいと考えている」と答えた割合の合計は、双葉町が14.3%、浪江町が22.9%で2012年度の調査開始以来、過去最高となった。
帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域の再生を巡り、復興庁は希望者全員の帰還を2020年代に実現させるとした政府方針などが浸透しつつあるとみて「帰還に向けた機運が高まっている」としている。
【双葉町】昨年8月の復興拠点の避難指示解除後で初の意向調査となり、回答者の0.7%が「既に町に戻っている」と答えた。「戻りたいと考えている」は13.6%(前年比2.3ポイント増)だった。復興拠点外を含め帰還困難区域への帰還の時期について「自宅に帰れるようになるまで待ちたい」と答えた割合は31.8%(同15.2ポイント増)と大幅に増えた。
一方、「戻らないと決めている」は56.1%(同4.4ポイント減)で依然高い水準にある。理由として、避難先に生活基盤ができたため「将来も継続的に居住する予定」と答えた割合が55.2%(同1.4ポイント減)と最も高かった。今回から新たな選択肢とした「既に自宅を解体した」は41%だった。
帰還について「まだ判断がつかない」は26.1%(同1.3ポイント増)。このうち、帰還を判断する際に必要な取り組みとして「医療・介護福祉施設の再開や新設」を求めたのは45.6%(同2.6ポイント減)で5割近くを占めた。
復興庁と県、町の共同調査は11回目。3270世帯の代表を対象とし、1295世帯が答えた。回答率は39.6%(同8.2ポイント減)。
【浪江町】帰還の質問で「既に町に戻っている」と答えた割合は10.7%(前年比1.1ポイント増)で、「戻りたいと考えている」は12.2%(同0.8ポイント増)だった。「戻らないと決めている」は50%(同2.4ポイント減)で、理由をみると「(避難先に)既に生活基盤ができている」が52.2%(同2.4ポイント増)で最も高かった。
帰還について「まだ判断がつかない」は25.6%(同0.7ポイント増)。帰還を判断する際に必要な環境として「医療・介護の復旧時期のめど」と答えたのが57.4%(同2.3ポイント増)と半数を超えた。
復興庁と県、町の共同調査は11回目。7272世帯の代表が対象で、3430世帯が答えた。回答率は47.2%(同2.4ポイント減)。