政府の原発運転期間延長方針への対応を巡り、規制委事務局の原子力規制庁の職員が事前に経産省側と面談を繰り返していた問題で、規制庁は3日、内部で作成していた検討資料の一部を公開しました。しかし公開されたのは22年8月23日と、9月13日に規制庁の片山啓長官と担当者らが打ち合わせで使った資料の計3枚で、9月の資料では、改正案が2通りに絞られ、要点や論点などが記されていましたが、メリット・デメリットや論点などは黒塗りにされていたということです。
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原子力規制庁、内部検討資料の一部公開 原発運転延長の政府方針巡り
毎日新聞 2023/2/3
政府の原発運転期間延長方針への対応を巡り、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁の職員が規制委の正式検討前に経済産業省側と面談を繰り返していた問題で、規制庁は3日、内部で作成していた検討資料の一部を公開した。経産省から面談で示された資料については、経産省に開示の可否を委ねるとし、この日は公開されなかった。
公開されたのは2022年8月23日と、9月13日に規制庁の片山啓長官と担当者らが打ち合わせで使った資料で計3枚。8月の資料では、運転期間について3通りの改正案が表で示され、それぞれの条文イメージとメリット・デメリットが書かれていた。9月の資料では、改正案が2通りに絞られ、要点や論点などが記されていた。ただ、メリット・デメリットや論点などは黒塗りにされた。
黒塗りの理由について規制庁の黒川陽一郎総務課長は「担当者の見解が書かれ、組織の見解とはかけ離れていた。(運転延長関連の)法案の検討が大詰めを迎える中、国民の誤解を生む」と説明し、一部の内容だけを口頭で紹介した。事前面談については、経産省の資料の中で、規制庁所管の法律に踏み込んだ表現があったので修正を求め、3カ所が修正されたという。
資料3枚は規制委ホームページの「原子力規制庁定例ブリーフィング」の2月3日分の欄で公表されている。【土谷純一、吉田卓矢】
「原発」運転期間延長巡り経産省と事前協議 規制庁は資料公開応じず
テレビ朝日系(ANN) 2023/2/4
原発の運転期間の延長を巡り原子力規制庁が経済産業省と事前協議を重ねていた問題で、規制庁はANNが求めた省庁間の協議内容の裏付けとなる資料の公開に応じませんでした。
この問題は、規制庁が原発の運転期間延長を巡る制度変更について、原子力規制委員会から具体的な指示を受ける前に経産省と検討を重ねたものです。
ANNは、協議内容や交換した資料の公開を求めましたが、規制庁内の検討資料は大部分が黒塗りで公開されたうえ、経産省から受け取った資料の公開は拒否されました。
規制庁側は「制度改正で経産省からの指示に応じたことはない」と改めて釈明しましたが、根拠は示されませんでした。