ご存知のように既に電気料金の値上げの悩みが聞こえていますが。関西電力と九州電力を除く大手電力7社は、今年4月以降、平均3割~4.5割の値上げを経産省に申請しています、
フリーライターの吉田みく氏が一般家庭の2つのリアルな節電事情をレポートしました。
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「育休手当の半分が電気代で消滅」に驚き 電気料金値上げにどう対抗するか、各家庭の悩みと工夫
マネーポストWEB 2023/2/24
電気料金の大幅な値上げが続いている。東京電力などの大手電力5社が4月からの電気料金を36円から269円値上げすると発表。託送料金の値上げが理由だという。さらに、関西電力と九州電力を除く大手電力7社は、今年4月以降、平均3割~4.5割の値上げを経済産業省に申請、同省委員会で審査中だという。昨年来続く大幅な電気代の値上げは、暮らしにも大きな影響を及ぼしている。フリーライターの吉田みく氏が、一般家庭のリアルな節電事情をレポートする。
エアコンの設定温度を抑えて厚着をするなどが冬場の節電方法だが…
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このところの電気代の高騰ぶりはSNSでも大きな話題になっている。寒い日が続くことによるエアコン・電気ストーブの使用や、コロナ禍以降に増えた自宅でのリモートワークなど、家庭の電気代が上がる要因は様々ある。SNS上には「先月と比べて1万円近く値上がりした!」との悲鳴に似た声も多く投稿されている。
埼玉県在住の幼稚園教諭で育休中のトモコさん(仮名、32歳)は、こう頭を悩ませていた。
「昨年出産し、現在育休中です。子供が小さく一日中家で過ごす日が多いため、先月の電気代は5万円を超えました。今は仕方がないとは分かっていますが、これでは育休手当ての半分が電気代で消えてしまいます……」
トモコさんの育児休業給付金(育休手当)は月に約10万円。出産前は、子供の将来の為にもできるだけ貯蓄に回すつもりだったが、現実は難しく、頭を悩ませているという。育児疲れや家計のことを考えるとイライラすることが多く、時には夫にあたってしまうことも増えたそうだ。
「このままでは家族がダメになってしまう……、そんなことで悩んでいた時に出会ったのが近所にある児童館でした。ここに行けば、子供も遊べるし、自宅にいる時間が少なくなるので節電になると思ったんです」(トモコさん)
午前中は児童館へ行くことを習慣にしたトモコさん。同じように育児をするママ友ができたことで気分転換にもなっているという。「今月の電気代は抑えられたのではないでしょうか。明細書が楽しみです」と嬉しそうだったが、はたしてどうなるか。
節電に燃える妻
都内在住の会社員・マサシさん(仮名、48歳)は、専業主婦の妻からの過度な節電要求に頭を悩ませていた。妻と高校生の子供2人の4人家族で、住まいは木造一戸建てだという。
「妻の話によると、今月の電気代は4万円だったようです。正直キツいですけど、このご時世だし仕方がないのかな……と思っていたのですが、妻は節電に燃えていました」(マサシさん)
マサシさんの妻の節電について話を聞くと、かなりストイックであることが分かった。
「リビングの電気は4つのライトのうち1つだけにしたり、暖房器具の使用は極力控えて毛布をかぶるよう指示されたり……。子供たちからは『ケチくさい!』と非難の声。私も子供たちと一緒になって不満を言うのですが、『文句言う暇あるなら残業して電気代を稼いできてよ!』と怒られてしまうんです」(同前)
両親から相続した自宅は築40年越え。隙間風が気になるほど老朽化しており、自宅に居ても暖かくならないため心が休まらないという。リフォームや建て替えをしたいところだが、今後かかる子供たちの学費のことを考えると、躊躇してしまったそうだ。
「妻は専業主婦と言っても両親の病院送迎や生活のサポートをしており、働きに出られる状態ではありません。私の収入が増える見込みもなく、出費ばかり増えます。少々気性の荒い性格ではありますが、家族のことを想っての節電だと考えると強く反論はできません」(同前)
妻の言うとおりに節電に取り組んでいたマサシさんだったが、部屋が寒かったせいか、先日風邪をひき病院にかかったそうだ。受診料は約2000円。そのことを聞いた妻は「節約もほどほどにしないとだめね」と言ったという。現在、妻は過度な節電を見直す方針で、単発で働けるバイトを探すなど世帯収入を上げるよう頑張っているとのことだ。
生活スタイルや地域によっても金額は様々だが、どの家庭も電気代の値上げに頭を悩ませているのではないだろうか。節電意識を持った生活を送ることも大切だが、その状況にストレスを感じ、家族内でトラブルになるのは望ましくない。メリハリをつけた対策が大事なようだ。(了)