柏崎刈羽原発(柏崎市)で8日、5キロ圏内を中心にした初めての夜間避難訓練が行われました。「積雪時×夜間」を想定したものですが、今回は積雪はなかったので大雪の際の課題は残されたままとなりました。「続報」として紹介します。
長岡市の磯田市長は9日、北陸地方整備局を訪ね、除雪車が作業しやすいように、大型トラックが退避ができる沿道を国道に新設することなどを要望しました。
国道を効率的に除雪するには運用上の対策では限界があるので、トラックなどが退避できる沿道を国道に新設する「ハード」の改造も必要です。
こうした雪国特有の対策は必ず必要になりますがそれはまだ緒にもついていません。
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冬期・夜間の避難体制は 柏崎市で原発事故想定し訓練
TeNYテレビ新潟 2023/2/9
柏崎市で2月8日、原発事故を想定した夜間の避難訓練が行われました。
年末の大雪で大規模な立ち往生が発生した柏崎市。冬の時期の避難にはまだ課題が残されています。
懐中電灯の明かりを頼りに歩く住民。
訓練は停電の発生を想定して行われました。
<記者リポート>
「暗闇の中で行われているのは避難訓練です。カメラのライト消えますでしょうか…このように照らすものがないと近くのものも見えなくなってしまいます」
柏崎刈羽原発から半径5キロ圏内にある柏崎市荒浜地区。
原発事故により避難指示が出た想定で、住民たちが歩いて集合場所となる避難所へ集まりました。
<参加した住民>
「周りが暗いので、避難の方法がいつもとは違うかなって感じがします。“雪があるとなかなか難しい”ところはあるかなと思います」
大雪となった去年12月、柏崎市や長岡市などを通る国道8号と17号では大規模な立ち往生が発生しました。
高速道路も通行止めとなり、大雪の際に避難はできるのか課題が浮き彫りとなりました。
今回、初めて行われた冬の夜間の訓練。
停電した際の避難所の運営や安定ヨウ素剤の受け渡し、避難用のバスに乗り込む手順などを確認しました。
ただ、道路に雪はなく、立ち往生などを想定せずに行われたため、大雪の際の課題は残されたままとなりました。
立ち往生への対策などは現在、国や県などが検討しています。
<佐久間豊 副知事>
「除雪体制がスムーズにいけば車の移動ができるので、安全に避難できる前提でもあるので、まずは検討の状況を踏まえて除雪体制についてどう対応していくのか検討結果を待ちたい」
一方、長岡市は大雪への対応力を強化するよう国に求めています。
磯田市長が9日、北陸地方整備局を訪ねました。
<北陸地方整備局 内藤正彦局長>
「整備局としましても、どんな大雪の状況にあっても道路交通は非常に重要だと思っております。しっかり取り組んでまいりたい」
除雪車が作業しやすいように、大型トラックが退避ができる沿道を国道に新設することなどを要望しました。
また、磯田市長は県内の全市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会の代表を務めます。
研究会の中でも大雪の際の避難は整理すべき課題に挙げられています。
<長岡市 磯田達伸市長>
「道路のハード整備だけが全てだとは思いませんけれど、いざ本当に(雪で)閉じ込められた時どうするのか、全体的な構想というか考え方が出てこないと避難計画の実効性があるとは私は判断できないんじゃないか」
大雪が降る中、住民を巻き込む大事故が発生したらどうなるのか。
柏崎刈羽原発は雪国特有の課題を抱えています。