2024年3月30日土曜日

柏崎刈羽原発 再稼働へ地元同意が焦点に 東電所長、理解求める

 東京電力は28日、柏崎刈羽原発7号機について、早ければ4月15日にも原子炉に核燃料を装荷する計画を原子力規制委員会に申請しました。
 稲垣武之所長は「燃料装荷自体は、施設の健全性確認を進めるステップの一つだ。再稼働に向けて地元同意が必要なこととは矛盾しない」と述べ規制委の承認が得られれば、燃料集合体872体を原子炉内に装着するということです。
 原発の過酷事故時に安全に避難できる準備が完成していなければ再稼働はできないのに随分と前のめりな話です。
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〈柏崎刈羽原発〉
再稼働への動き加速 早ければ4月15日にも燃料装荷「一つ一つ確実に」
                       NST新潟総合テレビ 2024/3/28
東京電力の再稼働に向けた動きが加速しています。3月28日、東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働に必要な検査の一環として核燃料を入れる作業の開始を原子力規制委員会に申請。早ければ4月15日にも作業が始まる見込みです。
柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「本日7号機の使用前確認変更申請を原子力規制委員会に申請しました」
東京電力が原子力規制委員会に申請したのは、再稼働に必要な検査の一環で原子炉に核燃料を入れる作業を開始すること。
テロ対策の不備が相次いで発覚し、核燃料の移動を禁じられていた東京電力ですが…去年12月にこの命令が解除されたことで再稼働に向けた動きを加速させています。
原子力規制委員会の承認が得られれば、4月15日にも核燃料を入れる作業を開始する方針の東京電力。
燃料を入れた後はプラントの健全性について確認を進める予定で、緊急時の即応体制を強化するため、宿直体制は8人から51人に増員するとしています。
柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「燃料装荷や健全性確認を進める中で気づきがあれば立ち止まり、一つ一つ確実に対応していく。また、これらの進捗状況は適宜、地域の皆様にもお伝えしていく」
今回の作業についての住民への説明は準備が整い次第行うとしていますが、この先に控える原子炉を起動させる試験の前には住民の理解を求める考えです。
柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「検査は検査なので、我々の機能を確認する。また、健全性を確認する検査なので、その一つ一つにご理解をということではないと思っている。私が申し上げているのは“制御棒を引き抜く”というところにあたっては地元のご理解が大前提ということ」
さらに再稼働への地元の同意を得るための動きも進められています。
【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「そういったもの(使用済み核燃料を)再稼働までにおおむね80%以内にしてもらいたいということが(再稼働の)前提条件になる」
資源エネルギー庁の幹部が再稼働への理解を求め訪れた際、東京電力に使用済み核燃料の割合を減らすよう求めていると説明していた柏崎市の桜井雅浩市長。
この使用済み核燃料について、東京電力は7月から9月に青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入する計画も明らかにしました。
青森県やむつ市には中間貯蔵施設を運営するリサイクル燃料貯蔵が27日に報告していて、まずは搬出が可能な4号機の使用済み核燃料から運び出す考えです。
柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「その(搬入)の間で原子力安全に係るような事案を起こさないことが非常に重要。リサイクル燃料貯蔵とも協力して、周辺の方々に一切ご迷惑をおかけしないということを協力してやっていく」
検査、そして使用済み核燃料の搬出など東京電力側の再稼働に向けた準備は着々と進んでいます。


来月15日にも核燃料搬入 柏崎原発、規制委に申請 東電
                            時事通信 2024/3/28
 東京電力は28日、停止中の柏崎刈羽原発7号機(新潟県)について、早ければ4月15日にも原子炉に核燃料を搬入する計画を原子力規制委員会に申請した。
 再稼働には地元自治体の同意も必要となるため、具体的な時期は見通せないままだ。
 規制委の承認が得られれば、敷地内のプールで保管していた872体を原子炉内に搬入する。東電によると、同原発の稲垣武之所長は記者会見で「燃料装荷(搬入)自体は、施設の健全性確認を進めるステップの一つだ。再稼働に向けて地元同意が必要なこととは矛盾しない」と述べた。
 柏崎刈羽原発は6、7号機が2017年、再稼働に必要な規制委の審査に合格したが、18年以降にテロ対策関連の不祥事が相次ぎ発覚し、規制委から事実上の運転禁止命令を受けた。規制委は昨年12月、追加検査で改善が確認されたと判断し、命令を解除した。