関西電力美浜原発3号機は規制委の審査に合格し、3年前に原則40年の運転期間を超えて全国で初めて再稼働しました。
地元住民らが老朽化を理由に運転差し止めを求めた仮処分の申し立てに対して、大阪高裁は15日午後、一審通り「本件発電所が重大事故を起こし、住民らの人格権が侵害される具体的危険があると認められない」として「危険性の根拠が明らかでない(具体的危険が明示されていない)」ことを理由に抗告を却下しました。
そのいつもながらの理由づけはまさに転倒した論理であって、原発のように超高圧・超高温下で連続的に中性子の照射を浴びる鋼製の設備(原子炉)が、40年は愚か60年まで耐用出来るというのは世の常識に明らかに反しています。
それを敢えて強行しようとするのであれば、60年まで耐用出来る根拠を示すべき責任はは電力会社にあります。
ところが過去においてそれを明確に示した例はなく、運転延長には何の根拠もないということです。
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大阪高裁、関電美浜原発3号機の運転差し止め要求退ける
Bloomberg(ブルームバーグ) 2024/3/15
福井県にある関西電力の美浜原子力発電所3号機について、地元住民らが老朽化を理由に運転差し止めを求めた仮処分の申し立てに対して、大阪高等裁判所は15日、住民らの主張を退ける判断を下した。
美浜原発は2011年の福島原発事故後に制定された原子力規制委員会の新規制基準で設けられた最長40年の運転期間を超える原発として、審査を経て21年に全国で初めて本格運転を再開した。1号機と2号機は廃炉作業中。
美浜原発を巡っては、設備の経年劣化や耐震性が十分でないとして、住民らが運転しないよう求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てた。大阪地裁は22年12月、住民らの主張を退ける判断を下し、住民側は大阪高裁に即時抗告していた。
関西電株は高裁の判断が伝わると上昇幅を拡大。一時前日比2.9%高の2135円と、昨年9月29日以来の日中高値付けた。
「残念な不当な決定」美浜3号機の運転差し止め請求 高裁も住民の申し立て認めず「危険認められず」
読売テレビ 2024/3/15
関西電力の原発の運転差し止めを求めた住民らの申し立ては、認められませんでした。
関西電力の美浜原発3号機は、原子力規制委員会の審査に合格し、3年前に全国で初めて原則40年の運転期間を超えて再稼働しました。福井県などの住民は、施設の老朽化などを理由に運転の差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てましたが、大阪地裁は、これを認めませんでした。
その後、住民側は大阪高裁に抗告していましたが、大阪高裁は15日午後「本件発電所が重大事故を起こし、住民らの人格権が侵害される具体的危険があると認められない」として、住民側の抗告を退けました。
大阪高裁の決定後 住民側の会見
「大変残念な不当な決定でした。起こりうるものは、起こりうるという前提で、原発の安全性を考えないといけない」
住民側は「『せめて老朽原発だけは』という思いで、今後も活動は続けていきたい」としています。