2013年4月14日日曜日

福島原発からの放射能の放散は今後もずっと続く

   
 

(「湯沢平和の輪」ホームページより転載)
 

 11日付の「マスコミに載らない海外記事」ブログに、「福島原発からの放射性物質の放出は今後もずっと続く(要旨)」と題されたワシントン・ブログが紹介されました。
 新しい事実は特にありませんが、福島原発が世界の空と海を毎日汚し続けていることと、それが今後もずっと続くということが端的に示されているので、改めて事態の深刻さを思い知らされます。

 同ブログは、チェルノブイリの事故が10日間でほぼ完全に終息したのに対して、核燃料の量においてチェルノブイリをはるかに上回る福島原発は、いまだにその燃料が現在どんな状態でどこにあるのかその所在すら分からない状態で、海や空への膨大な量の放射性物質の放出はこの先何十年、何百年、何千年間も続くと述べています。

 事故の収束に取り組んでいる筈の東電のこの2年間を見れば、このままに彼らに任せていては放射性物質の空中への放散はおろか、海水への膨大な放出も止められないことは明らかです。要するにいつまでたっても事故は収束しないということです。

 またほとんどの被災者たちを事故直後のままの状態で放置している東電の冷淡さや企業倫理の無さも許されないことです。

 まず意味のない収束宣言を撤回し、当事者能力のない東電は法的に整理するなどして、いまこそ国が責任を持って原発事故を収束させるべきです。
 東電に事故を収束させる能力がないことを分かっていながら放置しているのは、政府の側にも代わって収束させる自信がないので、敢えて火中の栗を拾わないでいるという指摘があります。もしも当面の最大の課題であるフクシマの収束に取り組む自信も能力もないというのであれば、直ちに政権の座から退くべきです。
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 福島: 膨大な漏洩と放射性降下物は日々続いている …何年間も
マスコミに載らない海外記事 2013年4月11日付
(原文)Washington's Blog 2013年4月6日

 福島の核物質は「漏れている」という状態なのかそれとも原子炉がもはや押さえ込みの全く利かない状態なのか? (明らかに後者である
 
 福島原発の運営者である東電が放射能を含む水の大量の漏れを起こしたこと使用済み燃料プールの冷却装置が、カ月の間に2故障したことは読者はご存じかも知れない。これは確かに報道に値するが、(実態はもっとはるかに深刻なものであり)全体像ではない

 AP通信はこう報じている。
 専門家達は、原発沖の海で捕れた魚の高濃度汚染からして、地下水系を経由して、継続的に海に漏れ出しているだろうと考えている。日本の専門家達は、福島原発はいまも毎日930億ベクレル年間34兆ベクレルの放射性セシウムを海に流していると言っている。

 これは一体どれほどの放射能なのだろう? ざっと計算すると、火災を起こしたチェルノブイリから放出された量の約万分のということになる。しかしチェルノブイリの火災はわずか10日で終息したのに、福島原発からの放出はもう2年以上続いているのだ。
 
 実際、福島原発は既にチェルノブイリより遥かに大量の放射性セシウムとヨウ素を放出した。福島原発から放出された放射性セシウムの量は、当初考えられていたものよりおよそ20~30倍多い。
 福島原発は半減期1570万年の放射性ヨウ素129も膨大な量排出した。カルシウムと似た性質で人の骨に集まり、強力な体内の放射体となり得る放射性のストロンチウム90も、既に900兆ベクレル海に廃棄している。
 しかも福島原発にある燃料の量はチェルノブイリを大きく上回っていてこの先何十年、何百年、あるいは何千年も漏れ続ける可能性がある。
 
 原子炉は何も封じ込められていないのだ。多少の漏れがあるというわけではない。漏れというのは、炉心は安全に格納建造物内にあるが、そこに小さな穴が一つか二つ開いていて、塞ぐ必要があるということを意味する。しかし科学者達は炉心のウランいまどこにあるのかさえ分かっていない。これは漏れではなくて完全なメルトダウン、いやそれよりももっと酷い状態である
 
 福島原発の周辺で暮らしている人々への影響は一体どうなのだろう? 非常に深刻なものとなる可能性がある。
 原文URL: