2013年12月10日火曜日

関電美浜原発の現地調査終了 断層は年明けに評価会合 

 8日、原子力規制委は、6本の破砕帯が原子炉建屋直下を通っている関西電力美浜原発(福井県)についての、2日間にわたる現地調査を終えました。
 島崎邦彦委員長代理は、専門家による評価会合を年明けに開くこととし、データを充実させるよう関電に求めました。
 敷地内の破砕帯、東約1キロ離れた場所で南北に走る活断層「白木−丹生(にゅう)断層」につられて動く危険性がないかがポイントで、その間のデータが足りないされています。
 追加調査の必要性については島崎氏は「評価会合で決まる」と述べました。
 
 美浜原発は若狭湾沿いの原発銀座といわれてところに立地されていますが、そこはまた日本で一番活断層が集中しているところとも言われています。厳正な評価が望まれるところです。 
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美浜原発の断層、年明けに評価会合 現地調査終了
朝日新聞 2013年12月8日
 関西電力美浜原発(福井県)の原子炉建屋直下に活断層が走っているおそれがある問題で、原子力規制委員会は8日、2日間の現地調査を終えた。島崎邦彦委員長代理は、専門家による評価会合を年明けに開くこととし、データを充実させるよう関電に求めたと明らかにした。【川田俊男】
 
 美浜原発では、敷地内の9本の断層が、原発の東約1キロを走る活断層「白木―丹生断層」の活動にともない、引きずられて動くかどうかが焦点。島崎委員長代理は、この活断層と敷地内の断層との間を中心とした周辺のデータが足りないと指摘。追加調査の必要性については「評価会合で決まる」と述べるにとどめた。
 
美浜原発で断層の現地調査開始 原子力規制委、追加調査に含み
福井新聞 2013年12月8日
 原子力規制委員会の有識者調査団は7日、福井県美浜町丹生の関西電力美浜原発で敷地内を通る破砕帯(断層)が活断層かどうか現地調査を始めた。団長役の島崎邦彦委員長代理は現場を見た後、「関電の調査手法の信頼性や、ほかの方法があるかということが今後議論になる」と述べ、追加調査の可能性に含みを持たせた。
 
 関電によると、敷地内には9本の断層があり、うち6本が1~3号機の原子炉建屋直下を通る。原発から1キロ東側には活断層「白木―丹生断層」(長さ15キロ)が南北に走っており、活動に伴って断層が連動するかが焦点。関電は断層の活動性、連動性を否定している。
 島崎氏や大谷具幸岐阜大准教授ら有識者5人が雨の中、敷地内の道路や斜面の地表をはぎ取った場所で断層をじかに確認したほか、ボーリング調査の試料などを詳しく観察した。
 島崎氏は他の原発に比べて敷地が狭く、「(追加調査などの)場所があまりなく、なかなか難しい」との見解も示した。 調査は2日間。8日は敷地外の山中で断層の可能性がある地形を見る。
 
 規制委は全国の6原発で順次、敷地内断層の調査を進めている。規制基準は活断層の真上に重要施設を建てるのを禁じているため、活断層と認定された場合、廃炉に追い込まれる可能性がある。
 (福井)県内では日本原電敦賀原発で2号機直下に活断層があると認定された。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)は追加調査中。関電大飯原発では焦点だったF―6破砕帯は活断層ではないとの見解を示している。
 
美浜原発:関電に追加データ提出要請 断層調査で規制委
毎日新聞 2013年12月8日
 関西電力美浜原発(福井県)の原子炉建屋直下などに活断層がある疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会の有識者調査団は8日、2日間の現地調査を終えた。関電は「活断層でない」との報告書を公表しているが、調査団は、結論を出すには判断材料が不足しているとして、関電に追加データの提出を求めた。
 
 同原発の敷地内にある9本の破砕帯のうち、6本は1〜3号機の重要施設である原子炉建屋直下を通っている。敷地内の破砕帯は、東約1キロ離れた場所で南北に走る活断層「白木−丹生(にゅう)断層」につられて動く危険性が指摘されている。
 調査団は規制委の島崎邦彦委員長代理ら5人で構成。8日は、両者の間に存在する地形を観察して関係を調べた。調査終了後、島崎氏は「これでおしまいというわけではない。判断するにはもう少しデータがほしい」と述べ、関電に既存の調査データの拡充を求めた。年明けに予定されている評価会合までに提出を求め、必要ならば追加調査を要請する。
 美浜原発の活断層問題は、東日本大震災を受けて、旧経済産業省原子力安全・保安院が敷地内の断層を再点検する中で浮上した。原発の規制基準は地面をずらす恐れがある「活断層」の上に重要施設を建てることを禁じており、活断層と判断された場合は廃炉に追い込まれる可能性がある。【岡田英】