2014年1月17日金曜日

新潟知事が東電の「再建計画はおかしい」と厳しく批判

 東電の広瀬直己社長は16新潟県を訪れ泉田裕彦知事と会談し政府の認定を受けた新しい総合特別事業計画(再建計画)について柏崎刈羽原子力発電所6、7号機を7月以降再稼働させる方針は「仮置き」と強調しまし
 それに対して泉田知事は、東電の再建計画は「安全の観点で極めておかしモラルハザード(倫理観の欠如)の計画だ」と厳しく批判しまし。そして福島第1原発事故の検証や、柏崎刈羽原発の再稼動問題について技術的に検討している新潟県技術委員会への十分な説明を要求しました。
 
 広瀬社長は会談の終了後、記者団に対し、「柏崎刈羽原発の再稼働時期については、うんぬん言えるタイミングではない」と話しました。
 
 多くの新聞社説が指摘しているように、目先の収益を「取り繕う」ために柏崎刈羽原発の再稼働を進める、などということは加害企業としてあるまじき態度ですし、そもそも原発の再稼動で収支を改善するなどという論法には、必ずや欺瞞・取り繕いの計算が潜んでいる筈です。
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新潟知事が東電を厳しく批判 「モラルハザードの計画」
東京新聞 2014年1月16日
 新潟県の泉田裕彦知事は16日、東京電力の広瀬直己社長との会談で、政府の認定を15日に受けた東電の新しい総合特別事業計画(再建計画)について、「モラルハザード(倫理観の欠如)の計画だ」と厳しく批判した。
 
 知事の不信感は根強く、再建計画が前提とした柏崎刈羽原発の再稼働の困難さがあらためて浮き彫りになった。関係改善は見通せない状況だ。
 広瀬社長は会談後、記者団に対し、同原発の再稼働の見通しについて「時期をうんぬんできるタイミングではない」と述べた。
 泉田知事は新計画について「株主責任、貸し手責任を棚上げにしている」と批判。(共同)
 
東電社長「原発再稼働の時期は仮置き」 
NHK NEWS WEB 2014年1月16日
東京電力の廣瀬社長は16日、新潟県の泉田知事と会談し、政府から認定を受けた新たな事業計画の中で、柏崎刈羽原子力発電所の運転再開が前提として盛り込まれていることについて「収支計画を作るために仮置きしたものだ」と述べ、理解を求めました。
 
東京電力の廣瀬社長は16日、新潟県庁を訪れて泉田知事と会談し、今後10年間の新たな事業計画「総合特別事業計画」が15日、政府から認定を受けたことを報告しました。
この中で廣瀬社長は、計画に柏崎刈羽原発の4基がことし7月から順次、運転を再開することが盛り込まれていることについて「収支計画を作るために仮置きしたもので、決して再稼働の計画を示すものではない」と述べ、理解を求めました。
また廣瀬社長は、「事故の防災計画や避難計画の作成などやるべきことをしっかりやっていく」と述べました。
これに対し、泉田知事は、「今回の計画で安全性の観点から会社が変わったと受け止めるのは難しい」として福島第一原発の事故の検証を行うよう重ねて要請しました。
 
会談のあと廣瀬社長は記者団に対して「事故について反省すべき点は多く、それを踏まえて今後に生かしていく。現時点で柏崎刈羽原発の再稼働の時期を言えるタイミングではなく、これは知事の発言と一致すると思っている」と話しました。
 
泉田知事 計画を厳しく批判
柏崎刈羽原発の運転再開を柱とする計画について新潟県の泉田知事は「福島第一原発事故の検証が不十分で、安全を二の次にした計画だ」と厳しく批判しました。
泉田知事は東京電力の廣瀬社長との会談の中で「柏崎刈羽原発の安全に関わることについて全く協議がなく計画が決められ、残念だ。経営が厳しいのは事故を起こしたからで、事故を検証して事故を起こさないガバナンス(統治)の仕組みを作ることが必要だ」述べて、事故の検証が不十分なまま作られた計画だとして厳しく批判しました。
会談のあと、泉田知事は「安全性を高めるというのが二の次になった計画で問題だ。福島第一原発事故の検証については東京電力の今後の対応を注視したい」と話していました。