2014年1月3日金曜日

汚染水対策はどうなる 原発事故発生から3年

 福島民報の元日号に、事故後3年目を迎える福島原発の当面の対策に関する記事が載りました。
 その骨子は
 ① 1~4号機の建屋周辺の土を凍らせる陸側凍土遮水壁を設置し、26年度中に運用を開始する。
 ② 9月頃から建屋周辺の井戸で地下水をくみ出す。
 ③ 雨水の地下浸透を防ぐために敷地を舗装する。
 ④ 9月までに鋼管打ち込み式の海側遮水壁を完成させる。
 ⑤ 多核種除去設備(ALPS)を増設する。
 というものです。
 
 本当にそんなことで汚染水を制御することが出来るのでしょうか。何とも心細い計画です。
 ① が汚染水対策の決め手とされていますが、遮水壁は単に建屋の周囲を囲うだけなので底部からの地下水の流入は防止できません。上段の難透水層は既に汚染水が貫通していることが確認されているので、下段の難透水層まで壁を下ろすのでしょうか。
       2013年12月22日 福島原発地下の下段透水層も放射能汚染 
 ④ 海側の遮水壁は地下水が自由に迂回できるので、汚染水の海洋流出の阻止はできません。その手前に多数の汲み上げポンプを設置するのでしょうか。
 ⑤ 東芝のALPSは3月に一旦完成しましたが結局年内は動きませんでした。そういう不安定な装置をいくら増設しても解決には結びつきません。
  
 汚染水対策は国が前面に立って行うと宣言した筈ですから、今度こそは遺漏のない計画を立てて進めて欲しいものです。
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汚染水対策が急務 原発事故発生から丸3年、トリチウムの分離課題
福島民報 2014年1月3日
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から丸3年となる平成26年がスタートした。原発事故は汚染水問題を中心に依然として収束といえる状況にない。1日約400トンの地下水が原子炉建屋に流れ込み、汚染水は日々、増え続けている。政府と東電の対策が急務となっている。
 政府と東電は原子炉建屋への地下水流入の抑制を目指し、1~4号機の建屋周辺の土を凍らせる陸側凍土遮水壁を設置し、26年度中に運用を開始する。
 さらに、9月ごろからは建屋周辺の井戸(サブドレン)で地下水くみ上げを始める。雨水の地下浸透の防止策として敷地内の広域的な舗装も実施する方針だ。海洋への汚染水の流出を防ぐために海に鋼管を打ち込む海側遮水壁を9月までに完成させる。
 汚染水の浄化に向けた処理では、東電は放射性セシウムなどの放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)を増設する。
 しかし、汚染水から放射性物質のトリチウムを完全に分離する技術は確立されていない。政府は昨年末に今後のトリチウムの扱いを議論する有識者の作業部会を発足。貯蔵を続ける場合と海洋放出する場合の問題点をそれぞれ検討している。
 原子炉建屋への流入前にくみ上げた地下水の海洋放出をめぐっては、東電が地元の漁業関係者から同意を取り付けられなかった経緯がある。仮に政府がトリチウムについて海洋放出の方針を決めた場合も、地元の理解を得られるかは不透明だ。
 
凍土の遮水壁で汚染水抑制…政府委が設置方針
 読売新聞 2013年5月30日
 東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水の抜本的な抑制策として、政府の汚染水処理対策委員会(委員長・大西有三京都大名誉教授)は、建屋周辺の土壌を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土の遮水壁」の設置を打ち出す方針を固めた。
 30日の会合で最終判断し、東電に実施を求める。
 同原発の建屋には、地下水が1日平均400トンずつ流れ込み、汚染水増加の最大の要因となっている。
 凍土の遮水壁は、大手ゼネコンが提案した。地中に管を並べて打ち込み、管内に氷点下数十度の冷却材を循環させ、周辺の土壌を一定の深さまで凍らせる。これが、建屋内と外側との水の動きを遮断する壁となる。地下に構造物があっても大きな障害とならず、1~2年程度で設置できる。
 コンクリート製の遮水壁を造るのと違い、凍土法は管をすべて埋設した後、一気に土壌を凍らせ、短期間で壁が完成する。このため、施工中に壁の内側で地下水が減るなどして、建屋内から放射性物質を含む汚染水が外へ漏れ出る危険は少ない。