2019年12月22日日曜日

22- 福島原発集団訴訟 全国初の和解勧告(詳報)

 中通りの6市町に住む主婦ら52人が東電に計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟につき、福島地裁は18日に原告と東電の双方に文書で和解案を示しました。
 福島民友によると、原告側は判決期日前までに和解案を受諾する意向を示しのに対し、東電は「請求内容や主張を詳しく伺った上で、真摯に対応する」としました。
 このニュースは21日に紹介しましたが「詳報」としてお伝えします。
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原発集団訴訟、全国初の和解勧告 福島地裁、原告側受諾の意向
福島民友 2019年12月21日
 東京電力福島第1原発事故で精神的損害を受けたとして、中通りの6市町に住む主婦ら52人が東電に計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁(遠藤東路裁判長)が和解勧告したことが20日、原告代理人への取材で分かった。原告代理人によると、原発事故を巡る集団訴訟の和解勧告は初めて。

 原告代理人によると、地裁が18日に原告と東電の双方に文書で和解案を示した。内容は非公表だが、東電が支払う和解金を含む複数の条件が示されたという。原発事故の損害賠償請求で和解が成立すれば異例。
 原告は2016(平成28)年4月に提訴、「裁判の長期化で控訴審まで争う気力が残っていない」などの理由で、地裁に対して、今年1月に和解勧告するよう要請。5月に開かれた非公開の協議で地裁から和解勧告の方針が示され、7月に結審した。来年2月19日に判決期日が指定されていた。
 原告代理人の野村吉太郎弁護士は「詳しい和解内容は話せないが、地裁の判断を高く評価している」とし、原告側は判決期日前までに和解案を受諾する意向を示した東電は「請求内容や主張を詳しく伺った上で、真摯(しんし)に対応する」とした

 原告は福島、郡山、二本松、伊達、国見、田村の6市町に住んでいた52人。原発事故による健康不安などでの精神的損害を主張し、1人当たり約100万~約900万円の損害賠償を求めている。原告代理人によると、東電側は「低線量被ばく地域では賠償に値する法的な権利侵害はない」などとして請求棄却を求めた。