2020年12月27日日曜日

関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示できず 原発再稼働先送りも

 関西電力は25日、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地について、「年内に報告できる状況にない」と福井県に伝えました。約束が反故にされるのは18年に続いて2回目で、福井県は中間貯蔵施設の県外候補地の提示を、美浜3号、高浜1、2号の再稼働の「前提」としていたので、杉本知事は25日「候補地は絵空事ではありえないと述べ実現性のある候補地が示されるまで、県議会にも再稼働の議論は促さない考えを明らかにしました
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関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示断念 福井県に説明 原発再稼働先送りも
                         毎日新聞 2020年12月25日
 関西電力の松村孝夫副社長が25日、福井県庁を訪れ、県内の原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、県外候補地の年内提示を断念したことを報告した。県は、運転開始から40年を超える関電美浜3号機と同高浜1、2号機の再稼働に同意する「前提」として、関電に年内の提示を求めていた。今後も協議は続くが、関電が早ければ「2021年1月」とする美浜3号機の再稼働日程の実現は困難になった
 松村副社長は桜本宏副知事と面会し「このタイミングではしっかり報告できない。国や電気事業連合会と連携して努力を続け、早めに改めて報告する」と述べた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を関電など電力各社で共同利用する案が浮上しているが、松村副社長は記者団に「地元(青森)の理解を得ないと着手できない。あらゆる可能性を検討する」と話した。

 杉本達治知事は記者団に「計画地点の提示がなければ、議論の入り口には入れない。さまざまな調整が必要なことは分かっている。最大限努力するということなのでそれを待ちたい」と一定の理解を示した。
 また、この日は経済産業省の幹部も桜本副知事と面会し、中間貯蔵施設の確保について「国も主体的に取り組む」と説明した。【岩間理紀、大島秀利】


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関電、中間貯蔵施設候補地示せず 2度目の約束反故 福井知事「議論入れない」
                        毎日新聞 2020年12月26日
 関西電力は25日、年内に提示するとしていた使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地について、「報告できる状況にない」と福井県に伝えた。約束が反故(ほご)にされるのは2018年に続いて2回目。19年には幹部らによる金品受領問題も判明し、信頼回復を図っていたが、またも裏切られた形だ。候補地提示の時期は示されず、同社が目指す原発の40年超運転も、信頼回復への道も一歩遠ざかった。
 県が、関電の40年超原発である美浜3号、高浜1、2号の再稼働の「前提」としていたのが中間貯蔵施設の県外候補地の提示だ。
 25日に県庁で桜本宏副知事に報告した関電の松村孝夫副社長は「早めにあらためて報告する」としたが、具体的な提示時期は示さなかった。

 報道陣の取材に答えた杉本達治知事は「信頼関係は悪い方向に動いているのは間違いない」と述べ、「関電からの報告を待ちたい。計画地点の提示は全ての議論の前提。40年超運転の議論には入れない」と硬い表情で話した。
 再稼働に向け、立地自治体では既に町議会から「同意」が示され、町長の最終判断を検討している段階だ。戸嶋秀樹・美浜町長は「しっかりと取り組んでいただきたい」とし、野瀬豊・高浜町長も「誠に残念」とするコメントを出した。両町長とも関電に限らず、問題の解決のため国の積極的な関与を求めている。

 中間貯蔵施設の県外候補地を巡っては、17年に西川一誠知事(当時)が関電の岩根茂樹社長(同)から「18年中に示す」との説明を受け、同大飯3、4号機(おおい町)の再稼働に同意した経緯がある。しかし、実現には至らず約束は2年間先延ばしにされ、その後、同社役員らの金品受領問題も発覚した。
 杉本知事は関電から報告を受ける前の今月18日の県議会特別委で、「(これから)再稼働の判断をしていく時期が来るんだろうと思っている」と述べていた。その際、県原子力安全専門委員会による安全性の検証や、県議会の判断など「40年超運転」の地元同意の判断に向けて必要となる条件を示したが、「前提」は崩れた。
 また、杉本知事は25日の取材で「(候補地は)絵空事ではありえない。確定までの道筋も含めて聞かせてもらいたい」と述べて、実現性のある候補地が示されるまで、県議会にも再稼働の議論は促さない考えを明らかにした。【岩間理紀、大島秀利】


関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示断念 福井県に説明 原発再稼働先送りも
                         毎日新聞 2020年12月25日
 関西電力の松村孝夫副社長が25日、福井県庁を訪れ、県内の原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、県外候補地の年内提示を断念したことを報告した。県は、運転開始から40年を超える関電美浜3号機と同高浜1、2号機の再稼働に同意する「前提」として、関電に年内の提示を求めていた。今後も協議は続くが、関電が早ければ「2021年1月」とする美浜3号機の再稼働日程の実現は困難になった
 松村副社長は桜本宏副知事と面会し「このタイミングではしっかり報告できない。国や電気事業連合会と連携して努力を続け、早めに改めて報告する」と述べた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を関電など電力各社で共同利用する案が浮上しているが、松村副社長は記者団に「地元(青森)の理解を得ないと着手できない。あらゆる可能性を検討する」と話した。

 杉本達治知事は記者団に「計画地点の提示がなければ、議論の入り口には入れない。さまざまな調整が必要なことは分かっている。最大限努力するということなのでそれを待ちたい」と一定の理解を示した。
 また、この日は経済産業省の幹部も桜本副知事と面会し、中間貯蔵施設の確保について「国も主体的に取り組む」と説明した。【岩間理紀、大島秀利】