関西電力大飯原発3、4号機の稼働によって生活や健康に深刻な被害を受ける生活を強いられているとして、42都道府県の住民約3500人が関電と国に運転差し止めと賠償を求めた訴訟で、京都地裁は14日、請求を棄却し、住民側を敗訴とする判決を言い渡しました。
原告側が基準地震動が過小であり、避難手段も具体的に想定されていないなどと指摘したのに対して関電側は、新規制基準に適合した大飯原発の安全性は十分に確保されていると主張し、避難が必要になる事態が起きる可能性そのものを否定し、判決はそれを認めたという感じでした。
中島晃弁護団長代行は「政府の原発回帰の動きに迎合した判決だ。原子力規制委の審査に合格すれば安全性は保たれていると推測されるとし、審査を丸投げしている。こういう判決を許していては国民の安全は確保できない」と述べました。
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大飯原発の運転差し止め認めず 京都地裁、住民側の請求を棄却
毎日新聞 2026/7/14
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の稼働によって生活や健康に深刻な被害を受ける生活を強いられているとして、42都道府県の住民約3500人が関電と国に運転差し止めと賠償を求めた訴訟で、京都地裁(斎藤聡裁判長)は14日、請求を棄却し、住民側を敗訴とする判決を言い渡した。
2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、国内の原発は全基が止まったが、大飯原発3、4号機は12年に当時全国で唯一稼働し、その後、厳格化された原発の新規制基準に適合すると原子力規制委員会に認められて18年から再稼働している。
訴訟では、原発事故時の避難計画や、関電が設定した「基準地震動」(原子力施設の運転中に発生し得る最大の揺れ)の妥当性が主に争われた。
住民側は、原発事故時に避難するための手段が具体的に想定されていない ▽5~30キロ圏内(緊急防護措置区域、UPZ)が屋内退避とされている点に合理性がない ▽自然条件によって避難経路が通行止めになり得る ▽高齢者・障害者は避難が困難――といった例を挙げて実施困難な避難計画になっていると指摘した。
さらに大飯原発は、原発の耐震設計の目安となる基準地震動が過小に設定されており、実際に発生し得る地震は想定を大きく超える可能性があると主張。「住民の人格権が侵害される具体的な危険性がある」と訴えていた。
これに対して関電側は、新規制基準に適合した大飯原発の安全性は十分に確保されていると反論。避難が必要になる事態が起きる可能性そのものを否定していた。
大飯原発3、4号機を巡っては、住民らが国の設置許可取り消しを求めた行政訴訟の控訴審で、大阪高裁が5月に設置許可は妥当として住民側逆転敗訴の判決を言い渡している。【資野亮太、大東祐紀】
原発回帰迎合の判決 大飯差し止め訴訟原告請求棄却 京都地裁
しんぶん赤旗 2026年7月15日
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)で事故が起きれば甚大な被害が予想されるとして、京都府の住民ら約3400人が国と開扉に運転差し止めなどを求めた訴訟で、京都地裁(斎藤聡裁判長)は14日、原告の請求を棄却しました。
原告は、同原発は地盤の安定性に関するリスクが過小評価されていると指摘。避難時に大きな支障が生じる交通事情も想定していないなどとして「安全対策や避難計画において致命的な欠陥がある」と訴え。
これに対し、関電は多様な対策によって同原発の安全性は十分に確保されており、放射性物質の異常な放出などが生じる具体的危険性は認められないなどと反論していました。
判決を受け中島晃弁護団長代行は「政府の原発回帰の動きに迎合した判決だ。原子力規制委員会の審査に合格すれば安全性は保たれていると推測されるとし、審査を丸投げしている。こういう判決を許していては国民の安全は確保できない」と述べました。
原告・弁護団は控訴する方針です。
本訴訟は東電福島第1原発事故翌年の2012年、約1100人が大飯原発1~4号機の運転差し止めを求めて提訴。1、2号機は17年に廃炉が決定し、取り下げました。
関西電力大飯原発の運転差し止め訴訟 京都地裁が原告の請求棄却
京都新聞 2026/7/14
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)で事故が起きれば被ばくによる健康被害や避難に伴う影響を受けるとして、京都を中心に42都道府県の約3500人が関電と国に運転の差し止めと損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、京都地裁であり、齋藤聡裁判長は原告の請求を棄却した。
東京電力福島第1原発事故翌年の2012年に1109人が1〜4号機の差し止めなどを求めて提訴。21年の第7次提訴で、原告数は原発差し止め訴訟で2番目の規模となる3457人に。福島事故の避難者を含め京都在住者が約7割を占めている。1、2号機は17年に廃炉が決まったため訴えを取り下げた。
原告側弁護団によると、裁判で主な争点は、(1)耐震設計の目安となる基準地震動(可能性がある最大の揺れ)を超える地震の可能性(2)地盤の安定性(3)自治体の避難計画の実効性-の3点だった。
原告側は、基準地震動は自然現象を過小評価し過ぎで、基準地震動を超える地震が起きて過酷事故に至る可能性は十分にあると指摘。敷地内の断層はぜい弱で、地震時に異常振動を起こすことが想定され、地盤の安定性は認められないとした。
避難計画は、避難用バスや高齢者・障害者の移動手段の確保、道路寸断による孤立などの課題があるため実効性はなく、実際の避難は原発30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)より広範囲にわたると訴えた。
関電と国側は、福島事故を教訓に原子力規制委員会が策定した新規制基準を満たしているとして安全性を強調し、「基準地震動を超える地震は考えられない」と反論。地盤については「地震波の集中をもたらす特異な構造はない」などとした。避難計画の実効性を巡っては、原発の安全性を理由に、避難が必要となる事態が起きる可能性そのものを否定した。