日本原子力発電は24日、再稼働を目指している東海第2原発のテロ対策施設の新設に向け、原子力規制委に審査を申請しました。費用は約610億円で、東海第2原発本体の安全対策費約1800億円に加算されることになります。
新規制基準では、航空機衝突などのテロ行為に備えた「特定重大事故等対処施設」の設置を義務化しています。
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東海第二原発 テロ対策施設計画を原子力規制委に提出
NHK NEWS WEB 2019年9月24日
首都圏唯一の原子力発電所、茨城県の東海第二原発について、日本原子力発電は、新しい規制基準で設置が義務づけられたテロ対策施設を4年後の令和5年10月までに完成させるとする計画を、24日、原子力規制委員会に提出しました。
新しい規制基準では、航空機などのテロ対策に備えるため、予備の制御室や遠隔で原子炉を冷却する設備などを備えた施設の設置を義務づけています。
これについて日本原子力発電は、茨城県東海村にある東海第二原発について、およそ610億円かけて、予備の制御室や冷却設備のほか、遠隔で原子炉圧力容器の圧力を下げる設備や、原子炉建屋に電力を供給する電源設備などを設置する計画をまとめ、原子力規制委員会に提出しました。
完成は4年後の令和5年10月までとしています。
テロ対策施設の設置は、再稼働に必要な原発の工事計画の認可から5年以内と定められていて、日本原電はこの期限内で工事を終わらせるとしています。
ただし再稼働については東海村を含む周辺の6つの自治体から事前の了解をえる必要があり、現時点で時期の見通しは立っていません。
茨城県知事「県民の関心高く議論の対象に」
東海第二原発のテロ対策施設の設置計画に関連し、茨城県の大井川知事は「テロ対策施設の申請も含めて最終的には県民の意見を聞くステージが必要になる」と述べ、再稼働の是非については今回の計画も判断材料に含めて、県民の意見を聞いたうえでの判断になるという考えを改めて示しました。
そのうえで、原発の安全性を検証する県の専門家会議でのテロ対策施設の扱いについて「テロ対策は県民の関心も高く、県の住民説明会でも問題提起として挙がっていたので、この施設が十分なものなのかしっかりと機能するものなのかということは、当然、議論の対象になるかと思う」と述べました。