2019年9月12日木曜日

規制委 福島原発事故原因再調査へ/原発の耐震性審査を見直しへ

 原子力規制委は11日の定例会合で、福島第1原発事故の原因調査を再開する方針を正式決定しました。現場の放射線量が低下したことや廃炉作業が進み、再調査が可能と判断したものです
 事故当時、津波が来る前から機械室内の配管が破損し水が噴出していたとの作業員の証言がありましたが、当時は放射線レベルが高くてとても機械室に入れなかったため、事故原因の調査が不十分であったことを意識したものです。
 
 それとは別に原子力規制委は11日の定例会合で、原発の耐震性の審査手法を一部見直す方針を決めました
 過去に地震を引き起こした断層のうち、ずれなどの痕跡が地表に現れていない「未知の震源」で再び地震が起きた場合揺れ計算手法を変更するというものです
 変更は再稼働済みを含む全国の原発に適用するということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島原発事故、原因再調査着手へ 規制委、20年内にも報告書
共同通信 2019/9/11
 原子力規制委員会は11日の定例会合で、東京電力福島第1原発事故の原因調査を再開する方針を正式決定した。11日で2011年の事故から8年半となり、現場の放射線量が低下したことや廃炉作業が進み、再調査が可能と判断。13~14年の当初の調査では高線量で立ち入れない建物もあり、原子炉格納容器からの放射性物質の放出経路などは未解明だった。20年内をめどに報告書をまとめる
 再調査では東電に指示して行う項目もあり、規制委は今後、東電に廃炉作業に関する指示をしている経済産業省資源エネルギー庁との間で連絡会議を設置する。
 
 
原発の耐震性審査を見直しへ 規制委、再稼働済みも適用
共同通信 2019/9/11
 原子力規制委員会は11日の定例会合で、原発の耐震性の審査手法を一部見直す方針を決めた。過去に地震を引き起こした断層のうち、ずれなどの痕跡が地表に現れていないものは「未知の震源」とされ、そこで再び地震が起きた場合に、どれくらいの揺れが想定されるかの計算手法を変更する。再稼働済みを含む全国の原発に適用する。直ちに運転停止は求めないが、電力会社に対し、一定の猶予期間内に新たな手法での再審査を受けるよう要求する。
 
 再審査により原発の耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の引き上げや、耐震対策の強化を迫られる可能性もある。