東海村の核燃料加工会社「J.C.O」で起きた臨界事故から30日で20年になるのに合わせて、29日同村で講演会が開かれ、およそ300人の参加者が犠牲者へ黙とうをささげました。
同事故では、核分裂反応が連続して起きる「臨界」が発生し、作業員2人が死亡、周辺の住民など600人以上が被ばくしました。
講演で、福島第一原発の事故のあと健康相談などを行っている医師の振津かつみさんは、「東海村の臨界事故は日本で初めて死者を出した重大な被ばく事故で、決して繰り返されてはならない」と訴えました。
なお、同事故の翌2000年度から18年度までに、全国の原子力関連施設で発生した事故や故障のトラブル報告が336件に上ったことが28日、原子力規制庁への取材で分かりました(共同通信)。
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臨界事故20年で講演会「今後も事故を語り継ぐ」茨城 東海村
NHK NEWS WEB 2019年9月29日
茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で起きた臨界事故から30日で20年になるのに合わせて講演会が開かれ、両親が被ばくした男性が「今後も事故を語り継いでいきたい」と述べました。
平成11年9月、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーで、核分裂反応が連続して起きる「臨界」が発生し、作業員2人が死亡、周辺の住民など600人以上が被ばくしました。
30日で事故から20年になるのに合わせ、住民らで作る「臨界事故を語り継ぐ会」や日本原子力発電の東海第二原発の再稼働に反対する団体などが29日、東海村で講演会を開き、およそ300人の参加者が犠牲者へ黙とうをささげました。
事故で両親が被ばくした大泉実成さんが登壇し「すでに両親は亡くなり、20年という時間を感じます。母がPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症したことも含めて、今後も事故を語り継いでいきたい」と述べました。
また東京電力福島第一原発の事故のあと、健康相談などを行っている医師の振津かつみさんは「東海村の臨界事故は日本で初めて死者を出した重大な被ばく事故で、決して繰り返されてはならない」と訴えました。
地元から参加した22歳の女性は「初めてこの事故について詳しく知り、若い世代が記憶にとどめる必要があると感じました」と話していました。
東海村臨界事故、30日で20年 原子力施設トラブル3百件
共同通信 2019/9/28
日本の原子力史上で初めて被ばくによる死者が出た茨城県東海村の臨界事故の翌2000年度から18年度までに、全国の原子力関連施設で発生した事故や故障のトラブル報告が336件に上ったことが28日、原子力規制庁への取材で分かった。
原子力業界の安全神話に警鐘を鳴らした臨界事故から30日で20年。報告は、深刻度を示す国際評価尺度(INES)がレベル0(安全上重要でない)や評価対象外の事案が約9割を占めたものの、同事故や11年の東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、不断の安全意識向上が求められる。