高浜町元助役の森山栄治氏が相談役や顧問を務めた2社が、少なくとも過去3年間に計約113億円の原発関連工事を関電側から受注していたことが分かりました。
2社は「吉田開発」と兵庫県内に本社を置く原発のメンテナンス会社で、2016~19年に吉田開発は計約27億円、メンテナンス会社は計約86億円の工事を受注していました。
関電の元副社長が1億円相当以上の金品を受領していた記事を併せて紹介します。
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関電疑惑 元助役が関連する2社が3年間で113億円工事受注
日刊ゲンダイ 2019/10/02
関西電力の社長ら20人が福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から計3億2000万円分の金品を受け取っていた問題で、元助役が相談役や顧問を務めた2社が、少なくとも過去3年間に計約113億円の原発関連工事を関電側から受注していたことが分かった。2日の朝日新聞が報じた。
2社は、元助役に約3億円の裏金を渡していた「吉田開発」(高浜町)と、兵庫県内に本社を置く原発のメンテナンス会社。
メンテナンス会社は2016~19年に高浜、大飯、美浜の3原発で計約86億円の工事を受注。吉田開発はほぼ同じ時期に高浜、大飯の2原発で計約27億円の工事を請け負っていた。元助役は吉田開発で顧問、メンテナンス会社で相談役にそれぞれ就いていた。
また、両社は元助役が約30年にわたり非常勤顧問を務め、報酬も受け取っていた関電の子会社「関電プラント」(大阪市)からも計約6億4000万円分の発注を受けていた。
関電元副社長 1億円相当受領 幹部 金品対応、口頭で共有
東京新聞 2019年10月2日
関西電力の役員らが高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領していた問題で、額が突出していた原子力事業本部長を務めた豊松秀己元副社長(65)の受領額は一億円相当以上だったことが二日、関電関係者への取材で分かった。一回で一千万円の現金を受け取った幹部もいた。
森山氏からの金品は個人で管理し、タイミングを見計らって返却するよう幹部らが口頭で対応を引き継ぎ共有していたことも判明した。
(中 略)
豊松氏は原子力事業本部長を務め、二〇一一年に副社長となり、今年六月に退任した。原発が集中する福井県に出向いて対応に当たることが多かった。
関係者によると、森山氏からの金品の個人管理については一部の幹部らしか知らず、役職就任の際、前任者から口頭で引き継がれるなどした。関係者は「退職時にまとめて返そうと考えていた人もいた。保管のために金庫を用意していたケースもあった」としている。
一方、関電の原子力事業本部には森山氏との連絡窓口となる担当者がおり、面会などの日程調整をしていたという。
森山氏と年一、二回、京都の繁華街で開かれた懇談会などで会った際、菓子折りに入った商品券を受け取った関電元役員は取材に対し、退職時に一括して返したと説明している。最初に受領した際に返却を申し出たが「受け取れないのか」と、高圧的な態度で迫られた。「代々の人たちが、どうすればいいのか先輩らに聞いてきた」と話した。