2019年10月3日木曜日

関電の説明に関連自治体から不満や懸念の声

 産経新聞が関電の説明を聞いた側の反応について報じています。
 高浜町の野瀬豊町長は2日、40年超の運転を目指す高浜原発1、2号機の再稼働の地元合意について「今回の件を受けた住民の気持ちを勘案しての判断になる町政に関する疑義はない」と述べました。
 関電の筆頭株主である大阪市の松井一郎市長は2日、記者団に対し「経営陣を守るための言い訳に終始し、全く納得いかない」「公共料金を扱う会社には、公共団体と同程度のモラルが必要。同じことを役所でやれば懲戒免職になる」として岩根茂樹社長を含め関与した全員の退陣を改めて求めました。
 大阪府の吉村洋文知事も「公開された報告書にも黒塗りの部分があり、事実関係の解明からはほど遠い」と断じました。
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【関電会見】「先送りが招いた」「言い訳終始で残念」
    関連自治体から不満や懸念の声
産経新聞 2019年10月2日
 関西電力の会見を受け、関係自治体からは相次いで関電に対する不満や懸念の声が上がった。
 高浜原発が立地する福井県高浜町の野瀬豊町長は2日、関電の対応を「課題の先送りがこんなことを招いたという印象だ」と批判した上で、40年超の運転を目指す高浜原発1、2号機の再稼働の地元合意について「今回の件を受けた住民の気持ちを勘案しての判断になる」と述べた。
 関電側に金品を渡していた森山栄治氏は昭和62年まで同町の助役だった。野瀬氏は森山氏が恫喝(どうかつ)して無理に金品を受け取らせたとする関電側の説明に「(森山氏は)感情の起伏の激しい人だったが、関電が毅然とした態度を取れなかったのか疑問が残る」と指摘。町役場には抗議の電話やメールが2日までに約50件寄せられたといい、「町政に関する疑義はない。このバイアス(偏見)を取り払うにも時間がかかる。イメージが悪くなったことは残念でならない」と語った。
 
 一方、関電の筆頭株主である大阪市の松井一郎市長は2日、記者団に対し「経営陣を守るための言い訳に終始し、非常に残念。全く納得いかない」と強い不満を示し、関電が新たに設置する第三者委員会に市が推薦する人物を入れるよう求める考えを明らかにした。
 松井氏は「公共料金を扱う会社には、公共団体と同程度のモラルが必要同じことを役所でやれば懲戒免職になる」として金品を受領した幹部らを批判。報酬カットといった処分で終わらせず、岩根茂樹社長を含め関与した全員の退陣を改めて求めた。
 
 大阪府の吉村洋文知事も「公開された報告書にも黒塗りの部分があり、事実関係の解明からはほど遠い。経営陣の保身が優先されている」と断じた。
 
 また、東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は2日の記者会見で、「原発を有する自治体に同じ構造があるのではないかと疑われかねない」との懸念を示した。