九州電力は3日、「特定重大事故等対処施設」の完成が設置期限に間に合わないため、川内原発1号機を来年3月に、2号機を来年5月にそれぞれ運転を停止すると発表しました。特重施設の完成遅れで運転停止になるのは全国初となります。
他電力の原発でも設置が遅れており、今後、関西電力高浜3、4号機(福井県)など再稼働済みの3電力7基が順次設置期限を迎え停止する見通しです。
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川内原発1・2号機 テロ対策間に合わず 来年停止し工事へ
NHK NEWS WEB 2019年10月3日
鹿児島県にある川内原子力発電所について、九州電力は、テロ対策の施設の完成が原子力規制委員会の示した期限に間に合わないとして、1号機を来年3月に、2号機を来年5月にそれぞれ運転を停止して工事を進める計画を明らかにしました。
原発の新しい規制基準では、航空機の衝突によるテロなどへの対策として、予備の制御室など「特定重大事故等対処施設」と呼ばれる施設の設置が義務づけられています。
これについて、原子力規制委員会は、運転に必要な審査で認可を受けてから5年以内に施設を完成させることを義務づけていて、間に合わない場合は、原則運転停止を命じるとしています。
この施設に関して、九州電力では、期限内の完成は難しいとの見解をこれまで示していました。
そして、3日の会見で、具体的な停止日程を明らかにし、1号機は来年3月に、2号機は来年5月に、それぞれ期限をむかえる時点で運転を停止する計画を明らかにしました。
九州電力は停止中に工事を進め、その後、国の検査に問題なく合格できれば、1号機は来年12月に、2号機は再来年1月にそれぞれ運転を再開させたいとしています。
テロ対策の施設の完成をめぐって具体的な運転停止の日程を示したのは九州電力が初めてです。
現在再稼働している原発は川内原発の2基のほか、関西電力や四国電力などの4原発7基で、いずれも期限内の施設の完成は難しいとしていることから今後も運転を停止する原発は増えそうです。