J-CASTニュースが、関電にかかわる「原発マネー」還流疑惑問題を第三者委員会がどこまで解明できるか、とする記事を出しました。
第三者委員会は、委員長に元検事総長、死者元第一東京弁護士会会長、元東京地裁所長を選任し、特別顧問に元日本弁護士連合会会長の4人が中心となって、合計弁護士15人が調査チームを編成するということです。
いわゆる大物である4人にはあまり期待出来ないとされているので、残りの実施部隊がどこまで解明してくれるか、そしてその成果がキチンを報告書に反映されるかが焦点になります。
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幹部22人中6人が退陣 第三者委は、関電の疑惑どこまで解明できるか
2019年10月20日
関西電力の幹部が、原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題は、関電トップの引責辞任につながった。
関電の八木誠会長と岩根茂樹社長は2019年10月9日、記者会見し、八木会長は同日辞任。岩根社長は同日設置した第三者委員会が12月下旬にまとめる調査報告書を受け、辞任することになった。
「経営責任を果たす」→ 一転白旗
八木会長や岩根社長ら関電幹部20人は、関電の高浜原発が立地する高浜町の元助役から約3億2000万円相当の金品を受け取ったことが発覚した。八木会長と岩根社長は、9月下旬の問題発覚後も「原因を究明し、再発防止をしっかりやることで経営責任を果たす」などと述べ、辞任する考えを否定していた。ところが、金品を渡してきた故人の元助役に責任を「なすりつけ」、関電側が被害者であるかのように振る舞う姿勢に批判が高まり、辞任に追い込まれた。
大阪市で開いた記者会見で、八木会長は「多大なご迷惑をお掛けし、改めて深くおわび申し上げる」と陳謝。岩根社長は「関電そのものの信頼が失墜している。2日の会見以降、さまざまな批判を受けて、やはり我々の責任は重いと感じた」と辞任の理由を述べた。2人は前回会見から2日後の4日に相談し、辞任を決断したという。
岩根社長が当面続投するのは、外部の弁護士でつくった第三者委員会の調査に、経営トップとして対応するためという。関電は9日、金品を受け取っていた原子力事業本部長の森中郁雄副社長と鈴木聡、大塚茂樹、右城望の3常務執行役員の辞任も発表した。関電の常務執行役員以上の22人のうち6人が退陣することになった。八木会長は関西経済連合会の副会長、岩根社長は電力大手で組織する電気事業連合会の会長もそれぞれ退いた。
報告書は12月下旬に
今後の焦点は第三者委員会の調査に移る。関電は委員会の独立性を確保するため、委員長に元検事総長の但木敬一氏を選んだ。但木氏は東京電力福島第1原発事故を検証した民間の事故調査委員会委員を務めたことで知られる。
このほか関電は元第一東京弁護士会会長の奈良道博氏、元東京地裁所長の貝阿弥誠氏を選任。特別顧問には元日本弁護士連合会会長の久保井一匡氏が就任し、弁護士4人で調査に当たる。実際には、この4人を中心に弁護士15人が調査チームを編成するという。
関電は2日の会見で、会長、社長ら幹部20人が3億2000万円相当の金品を元助役から受け取ったと発表したが、具体的な資金の流れは明らかになっていない。八木会長は元助役から1着50万円のスーツ仕立券2枚を受け取り、実際に使っていた。1人当たり1億円超を受け取った幹部も2人いた。金品の受け取りに際し、関電は元助役に高浜原発関連工事の概算額などの情報を伝えていた。
関電では元副社長ら3人が、元助役だけでなく建設業者から直接金品を受け取っていたことがメディアで報じられている。関電が発注した原発の建設費や管理費など「原発マネー」が地元の建設業者を経て、関電幹部に還流していた疑いが強まっている。元をたどれば、これらの巨額な裏金は、私たちが支払う電気料金ではないのか。
第三者委員会が、これらの疑惑をどこまで解明できるのか。但木委員長は9日の記者会見で「容易なことではないが、全容を解明したい」と語っており、12月下旬とされる調査報告書の中身が注目される。