関西電力社長らが多額の金品を受け取った問題で、関電は30日、大阪府、市や福井県など関係自治体に幹部社員を派遣し謝罪しました。
関電筆頭株主の大阪市の中尾副市長は面談後、記者団に「株主代表訴訟や臨時株主総会など、株主として取り得る手段を検討している。事実関係を踏まえて対応を決めたい」と語りました。
大阪府の山口信彦政策企画部長は「説明された内容では不十分。疑念が解消されていない」「役員の責任は当然問われるべきだ」と強調しました。
また金沢国税局が昨年1月から行っていた税務調査で、高浜町元助役・森山氏の自宅から金品の提供先や金額などが詳細に記されたメモが押収されていたことが分かりました。
さらに関西電力の子会社で原発などの工事やメンテナンスを手掛ける関電プラントが、森山氏を約30年にわたり非常勤顧問に起用し、報酬を支払っていたことが分かりました。
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金銭授受、自治体に謝罪 「説明責任を」批判相次ぐ 関電
時事通信 2019年09月30日
関西電力社長らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取った問題で、関西電力は30日、大阪府、市や福井県など関係自治体に幹部社員を派遣し謝罪した。自治体からは「説明責任を果たすべきだ」などと厳しい声が相次ぎ、関電側は「今後一層丁寧な説明に努める」と釈明した。
関電筆頭株主の大阪市には同日午後、松村孝夫常務執行役員が訪れ、「多大なご迷惑とご心配をかけ、深くおわび申し上げる」と陳謝した。応対した中尾寛志副市長は「説明責任を果たしていただきたい」と述べ、詳細な調査結果を速やかに書面で報告するよう求めた。
中尾副市長は面談後、記者団に「株主代表訴訟や臨時株主総会など、株主として取り得る手段を検討している。事実関係を踏まえて対応を決めたい」と語った。
また、別の幹部の訪問を受けた大阪府の山口信彦政策企画部長は「説明された内容では不十分。疑念が解消されていない」と不快感を示し、「役員の責任は当然問われるべきだ」と強調した。
関電疑惑 元助役宅から金沢国税局が「提供先メモ」を押収
日刊ゲンダイ 2019/10/01
関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から総額3億2000万円に上る金品を受け取っていた問題で、金沢国税局が昨年1月から行っていた税務調査で、元助役の自宅から金品の提供先や金額などが詳細に記されたメモが押収されていたことが分かった。
国税局がメモをもとに調査したところ、八木誠会長や岩根茂樹社長など関電の経営幹部らの自宅などからリストに記載されていた金品を発見。中には菓子袋などに入ったままの状態で保管されていたものもあった。
また、関電は、こうした事実を昨年7~9月に外部の弁護士などで構成する調査委員が実施した社内調査で把握していたにもかかわらず、その結果を取締役会に報告せず、正式なコンプライアンス委員会にも諮られなかったことも分かっている。
こうした隠蔽体質に批判が相次ぎ、関電は2日午後、八木会長、岩根社長らが改めて記者会見を開き、社内調査の内容を原則すべて公表するとしている。
関電子会社顧問に高浜町元助役 約30年間、報酬も支払い
時事通信 2019年10月01日
関西電力幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、関電子会社で原発などの工事やメンテナンスを手掛ける関電プラント(大阪市)が、森山氏を約30年にわたり非常勤顧問に起用し、報酬を支払っていたことが1日、分かった。
関電プラントは、森山氏が手数料を得ていた高浜町の建設会社「吉田開発」とも取引がある。関電プラントは「発注情報などを伝えたことはない」としているが、森山氏が受注、発注側の両社に関わっていた異例の構図が明らかになった。