コモンカスベは16年8月に一旦出荷制限が解除されましたが、19年1月、県漁連による試験操業で放射性セシウム161ベクレルが検出されたため出荷制限を受けていました。
福島県が去年2月から1年間コモンカスベ1008匹を検査したところ、1001匹は検出限界以下、残りの7匹も最も高くて17ベクレルと国の基準を大きく下回ったので、今週解除されることになりました
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福島県沖 魚介類で唯一出荷制限「コモンカスベ」来週にも解除
NHK NEWS WEB 2020年2月22日
東京電力福島第一原発の事故のあと、福島県沖の魚介類の中で唯一、続いていた「コモンカスベ」の出荷制限が来週にも解除される見通しになったことが関係者への取材で分かりました。東日本大震災から9年を前に、福島県沖の魚介類の出荷制限がすべて解除されることになり、漁業の復興に向けた大きな弾みになりそうです。
9年前の原発事故を受けて、国は、福島県沖の魚介類のうち44種類の出荷を制限しましたが、これまでに43種類は解除し、残りはエイの仲間、「コモンカスベ」だけとなっています。
コモンカスベは去年1月の時点では、国の放射性物質の濃度の基準、1キログラム当たり100ベクレルを超えていましたが、去年2月から先月にかけて県が福島県沖で取れたコモンカスベ1008匹を検査したところ、1001匹は検出できる値を下回り、残りの7匹も最も高くて17ベクレルと国の基準を大きく下回りました。
出荷制限の解除は福島県の申請を受けて国が最終的に判断しますが、複数の関係者によりますと、早ければ今月25日にもコモンカスベの制限が解除される見通しになったということです。
福島県沖の漁業は、現在、福島第一原発から半径10キロより外の海で回数を制限して行われていて、水揚げ量は少しずつ回復していますが、去年は震災前の14%ほどとなっています。
東日本大震災から9年を前に、福島県沖の魚介類の出荷制限がすべて解除されることは、漁業の復興に向けた大きな弾みになりそうです。
福島県沖水揚げ...全て「出荷」へ カスベ出荷制限25日にも解除
福島民友 2020年02月23日
本県沖で水揚げされるコモンカスベ(カスベ)の出荷制限が週明けにも解除されることが22日、関係者への取材で分かった。県が国に申請しており、解除は早ければ25日の見通し。原発事故後に本県の海産魚介類は43魚種、44品目が出荷制限の対象となったが、これで全て出荷が可能となる。
コモンカスベはエイの一種で、煮付けや唐揚げなどとして食べられる。2016(平成28)年8月に出荷制限が解除されたが、19年1月、県漁連による試験操業で食品に含まれる放射性セシウムの基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える161ベクレルが検出され、国の原子力災害対策本部が再び出荷制限を指示していた。
県が実施する放射性物質のモニタリング検査では、昨年2月~今月の1年間で測定した約千検体がいずれも基準値を下回っている。県漁連も国の基準値より厳しい自主基準値(1キロ当たり50ベクレル)を設定し、安全管理の対策を徹底してきた。
試験操業は操業日数や規模を限定し、試験的に行われている。出荷制限の対象魚種がなくなり、今後は「本格操業」に向けた議論が始まる見通しだ。