2020年2月5日水曜日

支援の継続強調 心の影響今なおと 福島医大国際シンポ

 福島医大主催の国際シンポジウムは最終日の3日、甲状腺検査と被災者の心の健康をテーマに議論が続けられました。
 被災者の心のケアを専門とする国内外の専門家らは、震災と原発事故から間もなく10年目となる今も問題を抱えた被災者がおり、支援を継続する必要性を強調しました。
「災害が心に与える影響は長期にわたり、時間の経過に応じてむしろ影響が増大するケースもある」ことや、3歳半健診で自分の名前が言えない子どもの比率が震災前より高い状態にあることや、「県内の避難者より県外避難者の方がより精神の不調を抱えている人の割合が高等の指摘が出されました。

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支援の継続強調 心の影響今なお 福島医大国際シンポ・最終日
福島民友 2020/2/4
 福島医大放射線医学県民健康管理センター主催の国際シンポジウムは最終日の3日、福島市で甲状腺検査と被災者の心の健康をテーマに議論が続けられた。被災者の心のケアを専門とする国内外の専門家らは、震災と原発事故から間もなく10年目となる今も問題を抱えた被災者がおり、支援を継続する必要性を強調した
 災害時のトラウマケアの第一人者であるニューサウスウェールズ大心理学科のリチャード・ブライアント教授(オーストラリア)は「災害が心に与える影響は長期にわたり、種類によっては時間の経過に応じてむしろ影響が増大してしまうケースもある」と警鐘を鳴らした。「助けられたはずなのに助けられなかった」などという罪悪感を抱えがちな警察や救急隊などの「災害初動者」の心の問題を重視すべきだとも話した。

 浜通りで乳幼児健診のデータを用いて子どもの行動の調査を続けている大正大心理社会学部の内山登紀夫教授は、3歳半健診で自分の名前が言えない子どもの比率が震災前より高い状態にあることを指摘。「発達の領域によっては、震災の影響が続いている」と分析し、今後も調査を続けていく考えを示した。
 県外に避難した人の心の問題について報告した武蔵野大人間科学部・大学院人間社会研究科の中島聡美教授は「県内の避難者より県外避難者の方がより精神の不調を抱えている人の割合が高く、放射線の健康影響を巡る不安も大きい」と指摘した。