東北電力女川原発の再稼働を問うシンポジウムが8日、仙台市で開かれました。
医師や研究者から甲状腺健診の必要性や分散型自然エネルギーシステムに転換することで、原発に頼らずに必要な電力を賄えるという研究成果などが発表されました。
それぞれが重要な指摘ですが、なかでも宮城県内各地のモニタリングポストが計測した放射線量が「汚染廃棄物の試験焼却の日に数値が上がった」ことは、焼却による放射能漏れを疑わせるもので重大です。
相当遠距離での着地濃度で変化が現れるということは、かなり膨大な量の放射能が空中にばら撒かれていることの証明です。焼却設備の放射性物質(セシウム)除去システムが本当に機能しているのか、焼却排ガスの分析を厳密に行って確認する必要がります。
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原発の安全性に医師ら懸念示す 仙台でシンポ
河北新報 2020年02月09日
東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働を問うシンポジウムが8日、仙台市青葉区のフォレスト仙台であった。県内の医師や研究者が東京電力福島第1原発事故による影響について見解を述べ、原発の安全性へ懸念を示した。
約100人が参加。坂総合病院(塩釜市)の矢崎とも子医師は「成育過程の子どもは原発事故の影響を受けやすい。長期的で慎重な健康管理が必要だ」と強調し、県による甲状腺検診の実現を訴えた。
宮城教育大の草野清信名誉教授(工学)は県内各地のモニタリングポストが計測した放射線量率の推移を紹介。「汚染廃棄物の試験焼却の日に数値が上がった。放射能漏れが疑われる」との意見を述べた。
再生可能エネルギーの普及に取り組む仙台市のNPO法人「きらきら発電・市民共同発電所」の水戸部秀利医師も登壇。水戸部氏は蓄電技術の進歩を踏まえ、「分散型自然エネルギーシステムに転換することで、原発に頼らずに必要な電力を賄える」と呼び掛けた。
シンポジウムは核戦争を防止する宮城医師・歯科医師の会が日本科学者会議宮城支部と初めて連携して開催した。