福島イノベーション・コースト構想推進機構は、いわき市の小名浜海星高と連携し、小名浜港で生分解性プラスチックの分解実験を行います。7日に開始し11月末まで、水中に浸した試料の分解度合いを調査し、海洋プラスチックの課題解決の一助となることを目指します。
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高校生と生分解性プラスチック分解実験 福島イノベ機構
福島民報 2021/07/02
福島県の福島イノベーション・コースト構想推進機構は、いわき市の小名浜海星高と連携し、小名浜港で生分解性プラスチックの分解実験を行う。水中に浸した試料の分解度合いを調査し、世界的な問題となっている海洋プラスチックの課題解決の一助となることを目指す。7日に開始し、11月末まで取り組む。
生分解性プラスチックとして一般的な「ポリ乳酸」、海中で分解しやすいとされる「ヘミセルロース」、ポリ乳酸とヘミセルロールの中間素材の「紙粉入りポリ乳酸」の3種類の試料を使う。
試料を金網などに入れて海中に浸す。深度や水温、紫外線などによる分解度合いを調べるため、海水面、海中、海底の3段階に設定する。同じものを2セット準備し、1セットは定期的に引き上げて分解具合を観察する。残りは実験終了まで引き上げない。
ポリ乳酸で容器などを作る技術を多数開発した、いわき市の小松技術士事務所の小松道男所長らが監修する。小松所長は環境への悪影響が懸念されるプラスチックについて「豊かな生活のためにはゼロにすることは困難だ」と指摘。その上で、環境へのダメージを減らしながらプラスチックと共存するには植物由来・生分解性プラスチックが解決策の一つとし、「先入観を排除した高校生の観察力に期待したい」と話している。