福島医大は26日、避難指示が出された市町村の住民に対して行った「こころの健康度・生活習慣に関する調査」(19年度分)で、不安障害などのリスクが高い人の割合は、16~39歳の若年層が7・5%、65歳以上が3・9%で、平均5%であると公表しました。これは全国水準の3%より依然として高い状況にあります。
福島医大が若年層で起きている変化などについて分析を進めます。また中学生以下の回答率が14・8%で過去最低となったので、本年度実施する調査では質問項目を減らすなど簡素化し、回答率の上昇を図ります。
それとは別に公表された甲状腺検査の3月末時点の結果は、18年度に開始した4巡目検査では、前回報告から新たに2人ががんと、また2、3巡目の検査では新たに計3人ががんと診断され、全期間のがん確定は219人、がん疑いは42人になりました。
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心の不調リスク高く 県民健康調査、旧避難区域は全国上回る
福島民友 2021年7月27日
福島医大は26日、県民健康調査の「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を巡り、2019年度分の結果を公表した。同調査は、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された市町村の住民らを対象としている。不安障害などのリスクが高い人の割合は全体の5%で、事故から時間がたつにつれ改善傾向にあるものの、全国水準の3%より依然として高い状況にある。
同日に福島市で開かれた「県民健康調査」検討委員会の会合で示した。調査では、得点が高いほどうつ病の可能性などを示す「精神健康度」を調べた。リスクが高い人の割合は16~39歳の若年層が7.5%で、65歳以上の3.9%と比べると高得点の割合が高かった。福島医大が若年層で起きている変化などについて分析を進める。
調査は20万1499人を対象に実施し、有効回答数は3万7501人。県によると、中学生以下の回答率が14.8%で過去最低となった。
このため県は、本年度に実施する調査で質問項目を減らすなど簡素化し、回答率の上昇を図る。
がん確定、新たに5人 3月末時点甲状腺検査
福島医大は検討委で、甲状腺検査の3月末時点の結果を公表した。2018(平成30)年度に開始した4巡目検査では、前回報告(昨年9月末時点)から新たに2人ががんと診断された。また、2、3巡目検査対象者のうち、新たに計3人ががんの診断を受けた。
4巡目検査のがん確定は27人、がん疑いは6人となった。1~4巡目と17年度から始まった25歳時の検査を合わせると、がん確定は219人(手術で良性と認定された1人を除く)、がん疑いは41人となった。
県と福島医大によると、25歳時検査の受診率は3月末現在で8.7%にとどまっている。県は進学や就職で県外に出た人の受診が進んでいないとみており、県外の医療機関に検査実施の協力を求めるなど環境整備に努める。