政府が今夏の取りまとめに向けて見直し論議を進めているエネルギー基本計画には、原発については「必要な規模を持続的に活用する」と明記する一方、新増設や建て替えには言及しない公算が大きくなりました。計画はおおむね3年ごとに見直しています。
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原発の新増設明記せず、エネルギー計画骨子案…「必要な規模を持続的に活用」
読売新聞 2021年7月8日
政府が今夏の取りまとめに向けて見直し論議を進めているエネルギー基本計画の骨子案が判明した。焦点の原子力発電については「必要な規模を持続的に活用する」と明記した一方、新増設や建て替えには言及せず、次回の見直しに判断を先送りする公算が大きい。
計画はおおむね3年ごとに見直している。骨子案は原発について、東京電力福島第一原発事故後の2014年に見直した基本計画で示した「依存度を可能な限り低減する」との文言を維持した。原発への信頼回復が途上であることも考慮したとみられる。現在の計画では、30年度時点の電源構成に占める原発比率は「20〜22%」となっている。
国内原発を最長の60年間運転した場合、50年時点で稼働できるのは23基で、発電量全体の1〜2割程度になる見通しだ。そのため、今回の議論は中長期的な利用を想定し、将来の新増設や建て替えを明示するかどうかが焦点の一つだった。
一方、菅首相が打ち出した50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府目標の達成に向けて、「再生可能エネルギーを主力電源として活用する」と強調し、最大限の導入に取り組む方針を示した。