福島第一原発で増え続けるトリチウム汚染水を海に放出することについて、安全性を検証するIAEA=国際原子力機関の調査団に、韓国の専門家が加わることになりました。
IAEAのグロッシ事務局長は、調査団にアメリカなどのほか、処理水の放出に懸念を示す韓国や中国などの専門家も参加させる意向で、調査の透明性を増すことで懸念の払拭につなげたい考えです。確かに調査の透明性は増しますが、海水中の濃度が低いことを確認すれば済むというものではありません。
元々排出先の海水や河川水を排水の希釈水に用いるなどは、資質汚濁防止法では認められていません。それは放出先の河川水や海水を用いて希釈することを認めれば、基本的にどれほど汚染された排水でも規制値をクリアするからで、それでは排水水質規制の意味がなくなります。
むしろトリチウム汚染水を海に放出することについて周辺国の合意が得られることの方が重要でこの問題の本質的な解決になります。
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福島第一原発 処理水海洋放出 IAEA調査団に韓国の専門家参加
NHK NEWS WEB 2021年7月9日
東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける処理水を海に放出することについて、安全性を検証するIAEA=国際原子力機関の調査団に、韓国の専門家が加わることになりました。IAEAとしては調査の透明性を増すことで懸念の払拭(ふっしょく)につなげたい考えです。
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は国の基準を下回る濃度に薄めたうえで、海に放出する方針を決めていて、8日、IAEAとの間で調査などの枠組みをつくることで合意しました。
IAEAは処理水や処分方法の安全性を検証する調査団を立ち上げ、年内にも日本に第1陣を派遣する計画ですが、処理水の放出には韓国などの周辺国が懸念を示しており、調査団の構成に関心が集まっています。
これについて、韓国外務省は9日、IAEAの調査団に韓国の原子力安全の専門家が参加することを明らかにし「すべての過程が客観的に検証されるよう最善を尽くす」としています。
IAEAのグロッシ事務局長は、調査団にアメリカなどのほか、処理水の放出に懸念を示す韓国や中国などの専門家も参加させる意向を示していて、調査の透明性を増すことで懸念の払拭につなげたい考えです。