東電による海洋放出が始まって以降初めてとなる宮城県の連携会議が開かれ、政府や東電の担当者も出席しました。
放出に伴う水産業への影響では県産ホタテの価格がおよそ25%下落しました。
水産物流通対策協議会の代表は「震災の課題がまだまだ解決できずに、その上に不漁が重なって非常に体力を消耗している。企業の存続がかなり難しくなった」と、また県漁業協同組合代表は「東電の賠償のやり方、進め方に不信感を持っている」と発言しました。
旅館業の組合の代表からは観光業や宿泊業への支援が見えないと述べました。
村井知事は「水産業だけでなく農業関係者、観光関係者の皆さん全体の総意だと思う。しっかり賠償してもらうことだと思う」と述べました。
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村井知事「被害について客観的なデータに基づくだけでなく、被害者に寄り添う姿勢が必要」原発処理水放出の賠償めぐり東京電力に農業関係者らからも不満噴出 宮城
tbc東北放送 2023/10/6
東京電力福島第一原発の処理水について、5日から2回目の海洋放出が始まるなか、6日、宮城県の連携会議が開かれました。漁業関係者からは、早急な賠償を求める声があがったほか、農業や観光業関係者からは「賠償の具体的な説明がない」といった不満も聞かれました。
県の連携会議では、国と東京電力の担当者が処理水の海洋放出を受けた、風評対策の対応状況について説明しました。
東京電力は8月24日に1回目の処理水の海洋放出を行い、5日からは2回目の放出も始まっています。
会議で、東京電力は、処理水放出で影響を受けた県内の事業者に対し、11月20日から順次、賠償の手続きに必要な書類を発送することを説明しました。これに対し漁業関係者などからは「賠償の対応に不信感がある」「新型コロナで厳しいところに処理水の影響も加わり今後の経営に不安の声がある」といった意見が出されました。
さらに、農業や観光業の関係者からは風評被害がゼロではないとしたうえで、農畜産物や宿泊に関する賠償の説明がないことに不満を訴える場面もありました。
村井知事:「水産業だけでなく農業関係者、観光関係者の皆さん全体の総意だと思いました。しっかり賠償していただくことだと思います。被害については客観的なデータに基づくだけではなく、被害者に寄り添う姿勢が必要だと思います」
県では、今後、賠償交渉開始後も、必要に応じて、連携会議を開催したいとしています。
処理水放出後 初の宮城県連携会議 東電に対する不信感もあらわに
khb東日本放送 2023/10/6
福島第一原発の処理水について、東京電力による海洋放出が始まって以降、初めてとなる宮城県の連携会議が開かれました。
処理水をめぐっては、東京電力が8月から9月にかけて初回の海洋放出を実施。
この間、周辺の海水や魚のトリチウム濃度の検査は検出できる下限値を下回っていて、5日から2回目の放出を始めました。
連携会議は2021年に宮城県が設置したもので、海洋放出後初となる6日の会議には村井知事や県内の水産や観光といった業界団体のほか、政府や東京電力の担当者も出席しました。
会議ではまず、県が放出に伴う水産業への影響を説明。中国向けの輸出が止まったことなどにより、県産ホタテの価格がおよそ25%下落したと報告しました。
水産業の団体の代表者は放出に伴う現場の実情に加え賠償に対する不信感もあらわにしました。
県水産物流通対策協議会阿部泰浩会長「震災の課題がまだまだ解決できずに、その上に不漁が重なって非常に体力を消耗しております。コロナと今回の処理水の被害が加わると、本当に企業の存続がかなり難しくなったという風に感じています」
県漁業協同組合寺沢春彦組合長「東電さんの(賠償の)やり方、進め方が、我々不信感を持っている。はじめに安い値段を提示して後から高い値段を言うとかですね」
このほか水産業以外にも旅館業の組合の代表者から観光業や宿泊業への支援が見えないなど意見が寄せられました。
東京電力は適切に賠償を進めることや水産業以外も支援の対象だと応じました。